欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
勝ち点を50%増やす男 森保ジャパンの申し子、遠藤航の「強さ」が分かるドイツの“2つの指標”
posted2020/10/07 11:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Getty Images
どんな代表チームにも、監督の申し子と呼べる存在がいる。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のときには原口元気が、アルベルト・ザッケローニ監督の下では本田圭佑がその立場にあった。彼らが大事な試合でゴールを決めたことを覚えている人も多いはずだ。
森保一監督率いる現在のチームでは、遠藤航がそんな存在なのではないだろうか。
遠藤が先に挙げた2人と違うのは、不在のときにこそ、存在の大きさがクローズアップされるところにある。それはゴールを決めたときに賞賛を浴びる攻撃のポジションと、遠藤が務める守備的なポジションとの違いに由来する。
遠藤の存在感の大きさは明確だ
まず、1つのデータを見てみよう。
森保監督の下で戦った25試合のうち、遠藤が出場した試合とそうではない試合の成績だ(国際Aマッチデーではない時期に開催され、招集メンバーに大きな制限のかかるE-1選手権を除く)。
遠藤の出場した試合:9勝1分、負けなし 平均勝ち点 2.7
出場しなかった試合:8勝3分4敗 平均勝ち点 1.8
遠藤がピッチに立ったときには、それ以外のときより平均で50%も多く勝ち点を重ねていることになる。
思えば、昨年のアジアカップ決勝戦もそうだった。準決勝で負ったケガにより遠藤が欠場したあの試合では、カタールに2点を先に奪われた。
メディアやファンはもちろん、そこまでピッチで共闘していたチームメイトまでもが遠藤の存在感の大きさを目の当たりにすることになった。
ただ、遠藤がキーマンであるという事実は代表のユニフォームを着てピッチに立っているとき以外にも強く感じられる。