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無敵すぎたゆえの苦悩 “5冠後”のバイエルンはどう徹底研究に立ち向かうのか

posted2020/10/06 20:00

 
無敵すぎたゆえの苦悩 “5冠後”のバイエルンはどう徹底研究に立ち向かうのか<Number Web> photograph by Getty Images

あれだけ昨季完成度が高かったバイエルンだが、まさか1-4で敗れるとは……

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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 2019-20シーズンはバイエルンにとってほぼすべてを勝ち取ったシーズンだった。

 欧州チャンピオンズリーグ、ブンデスリーガ、DFBカップそれぞれで優勝し、2012-13シーズン以来となるクラブ史上2度目の3冠を達成。最近では昨季ヨーロッパリーグ優勝のセビージャとの間で行われたUEFAスーパーカップを延長戦の末に勝利し、さらに1日にはドイツスーパーカップでドルトムントを撃破。それぞれタイトルを獲得している。

 加えて個人タイトルレベルでも欧州最優秀選手にロベルト・レバンドフスキがついに悲願の初戴冠。ちなみに最優秀FWとのダブル受賞だ。そして最優秀GKにマヌエル・ノイアー、最優秀DFにヨシュア・キミッヒ、最優秀監督にはハンジ・フリックが選出と、名実ともに欧州ナンバーワンクラブの座を確固たるものにしている。

 だが、そんな「もはや敵なし」と思われていたバイエルンが負けた。

33試合ぶり敗戦は衝撃の「1-4」

 セビージャとのUEFAスーパーカップからわずか3日後に行われたブンデスリーガ2節のホッフェンハイム戦で1-4の完敗。19年12月以来じつに33試合ぶりとなる敗戦だった。

 この負けが意味することはなんだろうか。

 長いシーズン、ハードスケジュールの合間に取りこぼすことはある。セビージャとのスーパーカップでは120分間を戦ったわけだが、試合後セルジュ・ニャブリはグラウンドに座り込み、しばらく動けなかった。

 ダビド・アラバは股関節をさすり、少し足を引きずるそぶりも見せていた。セレモニーも終わり、宿泊先であるブダペストのコリンティーナホテルに到着したのが深夜1時10分である。

 レバンドフスキは「僕らはそこまで祝うことはなかったね。みんな120分の試合であまりにも疲れていたから。土曜日にはホッフェンハイムに移動する。その間休みがない。本当だったら5日間はじっくり休みたいところだよ」と後日振り返っていたが、ホッフェンハイム戦では明らかに疲れを感じさせる選手が多く、普段の躍動感がなく、1対1の競り合いでも勝ちきれない場面が出てしまう。

「負けることもあるよね」といって、気にしないでおくわけにはいかないチーム事情が確かにあるのを感じさせた。今季はシーズン中、同じようなスケジュールがずっと続くのだから。

【次ページ】 短期決戦だったCLと超絶強度のスタイル

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