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大学も休学し、フィギュアにすべてを 大ケガから復帰、元世界ジュニア銅メダリストの覚悟
posted2020/10/03 11:01
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Manabu Takahashi
待望の舞台となる。
10月3日に開催されるフィギュアスケートのジャパンオープン。新型コロナウイルスの影響を受け、今年は例年と異なる形式で実施される。2006年以降、日本、北米、ヨーロッパの3チームによる団体戦だったが、日本の選手を2チームに分けての対抗戦となった。
その分日本のスケーターの出場する余地が広がり、初出場の選手も少なくない。
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その1人に山本草太がいる。
フィギュアスケートファンの間ではその足跡はよく知られるところだが、紆余曲折を経て、今日にたどり着いた。
将来を嘱望される存在だったが……
山本は中学3年生のとき出場した2015年3月の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得するなど将来を嘱望される存在だった。
だが16年3月、世界ジュニア選手権を前に、練習中、トリプルアクセルで転倒して右足首を骨折。5月に復帰したが7月、10月に右足内側のくるぶしを疲労骨折。長期間の休養を強いられた。
「初めて心が折れたというか。焦りもなくなって、テレビで試合を観ていても遠い存在過ぎて、応援しているような、いちファンのように観ていました」
のちに当時をこう振り返っている。焦りもなくなったと言うところに、ダメージの大きさがあった。
それでも再起を期し、氷上へ戻った。復帰戦は17年の中部選手権。1回転ジャンプのみの演技であった。その後、少しずつ階段を再び上がり、翌シーズンにはGPシリーズにも出場するに至った。
満を持して臨んだ昨シーズンはショートプログラム、フリー合わせて計5本の4回転ジャンプを組み入れるなどジャンプの構成を一気に引き上げた。通しの練習で成功させてはいなかったが、「来シーズン、その先のシーズンを考えると、これが最低ライン」だと考えての決行だった。つまりは北京五輪に出場し、その舞台で戦うための準備であり、そのために必要だからこそ、自らを引き上げるためにあえて挑んだ。