「上しか見ていません」

　それも決意の表れだ。

　いわば「原点」に戻ってのシーズン初戦となったのは9月下旬の中部選手権。ショート、フリーともに1位となり、優勝を飾った。

　ジャンプではミスも出た。それでも、手ごたえはあった。昨シーズン、試合のたびに出ていた「パンク」（ジャンプの回転が抜けること）がなかったことだ。大西コーチにもその点を評価されたという。

「上しか見ていません。足りないところばかりなので、追いつけるよう努力するだけだと思います」

　と語ると、こう続けた。

「先シーズンよりは成長できている部分があると自分でも思えています」

　そしてジャパンオープンを迎える。中部選手権では間に合わなかったフリーの衣装も間に合う予定だ。

「1つ1つの試合を大切にして、楽しみながら全力で頑張っていきたいと思っています」

　そんな思いとともに大会を重ね、さらなる飛躍を期すシーズンを進んでいこうとしている。