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大学も休学し、フィギュアにすべてを 大ケガから復帰、元世界ジュニア銅メダリストの覚悟
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byManabu Takahashi
posted2020/10/03 11:01
今年7月の全日本シニア合宿で新しくタッグを組む大西勝敬コーチから指導を受ける山本
「少しは先生に頼ろうという気持ちも芽生えて」
ただ試合では、ジャンプを決め切れず、思うような滑りを披露できないまま、シーズンを終えることになった。
このままでいいのか――そして1つの決断を下した。
子どもの頃から教わっていた大西勝敬コーチに9月から再び指導を受けることにしたのである。
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練習環境も変わった。7月の全日本合宿でこう語っている。
「関空(関空アイスアリーナ)と、後は西宮(ひょうご西宮アイスアリーナ)、臨海(大阪府立臨海スポーツセンター)で練習しています。全日本が終わってから『何か大きく変えなきゃいけないな』とすごく感じて。今までは『結局、自分自身』という気持ちでやってきた部分もあるんですけど、少しは先生に頼ろうという気持ちも芽生えて、それで関西の方に戻ってきました」
スケートのために大学も休学
大西コーチは、スケートの基礎となるコンパルソリーを重視し、その指導で定評がある。山本もかつてはその指導のもとでスケーティングを磨いた。また大西氏は、町田樹を2013年2月から指導し、ソチ五輪代表へ導くなど飛躍的に成績を向上させたことで知られる。
「(町田選手は)オリンピックシーズンからさらに結果を出していって、僕もそのシーズンを観ていました。似ている部分がありますし、僕もこれから上りつめていく立場としてもっともっと努力したいです」
町田の軌跡に自分を重ね合わせる。
大学も休学した。
「最悪、(スケート人生が)終わってからでも大学に通えると思うので、とりあえずスケートを追求していきたいという思いで休学に至りました」