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中島翔哉に代わる2列目と「10番」は久保建英? それとも…欧州組・森保J、3つの注目点
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2020/10/02 20:02
攻撃の中心的存在だった中島翔哉の代役を務めるのは久保建英か?
誰が10番をつけるかも大きな関心事に
ビジャレアルに移籍した久保建英は南野同様に出場時間こそ短いですが、確実にステップアップしています。ここにスピードスターの伊東純也や、ミスタータフネスの原口元気も絡んできます。東京五輪世代の三好康児だってベルギーでの成長を示したいところでしょう。
個人的には、誰が10番をつけるかも大きな関心があります。もし中島の代表復帰に時間が掛かってしまうとなれば、次に背負う選手で定着していくという可能性も否定できません。
こう書くと「中島がいないなら久保に10番をつけてもらいたいんでしょ?」と思われるかもしれませんが、筆者はむしろ南野推しです。森保ジャパンへの貢献度はピカイチと言っていいと思いますので。しかし本人が代表の9番にかなりの愛着を持っているなら話は別ですが。
トップの争いも楽しみです。
大迫勇也が不動の地位を築いていますが、34歳の岡崎慎司は絶好調です。ウエスカの1部昇格の立役者となったわけですが、クロスに対する入り方、合わせ方は天下一品です。鈴木武蔵も先日ベルギーで2試合連続ゴールを決めています。今回の出来次第で「大迫1強」の序列が変わる可能性もあると言えます。
「半沢直樹」の大和田常務ばりの「恩返し」宣言
さて森保監督はメンバー発表会見のなかでこう語っています。
「多くのかたが環境づくりに尽力してくださったことで我々は活動できるということを絶対に忘れてはいけません。応援してくださる方々に恩返しとなる活動、試合をしないといけない。(中略)いまコロナウイルスや日本で頻繁に起こっている自然災害などで傷ついている方が多く、困難な生活を送られている方が多いなかで、元気、勇気、そして根気をもって、我々が試合のなかで最後のホイッスルがなるまで1人1人、全力を出し切って戦い、どんな困難があっても最後まで戦い抜く気持ちを持ちたい」
「半沢直樹」の大和田常務ばりの「恩返し」宣言まで飛び出し、かなり気合いの入った発言が目立ちました。
もちろん“施し返す”ためには結果は重要です。ただ今回はA代表のスタッフも東京五輪代表のスタッフも一緒。時間の制限はあるにせよ、東京五輪代表が取り組んできた3バックを試す手だってあります。
欧州組を入れたメンバーでは昨年11月、ベネズエラに大敗した試合以来となります。ベースアップばかりでなく、オプションを増やしていくことも考えていかなければなりません。「融合」を具現化する姿勢と覚悟を示していくことこそが、一番の恩返しになるのではないでしょうか。