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リバプールとチェルシーに特大効果確実 「2人のチアゴ」がやってきた

posted2020/10/04 17:00

 
リバプールとチェルシーに特大効果確実 「2人のチアゴ」がやってきた<Number Web> photograph by Getty Images

チアゴ・アルカンタラ(左)とチアゴ・シウバ。実績十分の2人がプレミアをさらに熱くさせる

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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『The Two Ronnies』ならぬ“Two Thiagoes”。

 前者は、1970~80年代に英国で人気を博したBBCテレビのコメディ番組で、ロニーという2人の主演男優は、番組のロゴにもなった度の強そうな眼鏡がトレードマークだった。

 後者は、もちろんこの9月に英国サッカー界でデビューを果たしたチアゴ・アルカンタラとチアゴ・シウバのこと。眼鏡なしでも抜群のピッチ上視野を持つ「2人のチアゴ」は、それぞれリバプールとチェルシーの新戦力として、単なる人気以上のインパクトを期待させる。

シャビ・アロンソと比較されがちだが

 T・アルカンタラのリバプール入りは、まだ噂だった時点からシャビ・アロンソが加入した当時と比較された。

 バイエルンでスパイクを脱いだアロンソとアルカンタラの間には、秀逸なパスセンスを持つスペイン人MFという共通点が存在する。個人的には、今夏にバイエルンから2000万ポンド(約27億円)で移籍した現役センターハーフは、2004年のアロンソ移籍を上回る影響を、リバプールとプレミアリーグにもたらすのではないかとさえ思っている。受け入れるチームの下地が、当時より格段に高いレベルで整っているからだ。

 16年前、ラファエル・ベニテス新監督がアロンソを迎えたリバプールは、極端な見方をすればスティーブン・ジェラードの「ワンマン」と言われても仕方のないチームだった。その9カ月後のCL決勝で「イスタンブールの奇跡」を起こすきっかけとなったゴールを決めたのもジェラード。欧州の頂点には立ったものの、集団としての力は、首位と37ポイント差の5位というプレミア順位の方が現実に近かっただろう。

 その点、T・アルカンタラは、良い意味で一際目立つ個人がいないチームに招かれている。

 リバプールは2015年から続くユルゲン・クロップ体制下で、一昨季は首位に1ポイント差のリーグ2位とCL優勝、続く昨季には2位に18ポイント、3位以下には33ポイント以上の差をつけてプレミア王者となっており、説明不要のワールドクラスのチームだ。

 GKのアリソン、CBのビルヒル・ファンダイク、3トップを構成するモハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネと、攻守両面でワールドクラスの「個」も揃っている。

【次ページ】 中盤にも世界最高クラスがやってきた

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