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ロッテに4勝10敗…「ソフトバンクが(まだ)本気出してないんじゃないか問題」を検証する 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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posted2020/09/30 19:00

ロッテに4勝10敗…「ソフトバンクが(まだ)本気出してないんじゃないか問題」を検証する<Number Web> photograph by Jiji Press

ソフトバンク工藤公康監督。9月29日時点でロッテに4勝10敗1分と大きく負け越しているが……

 4日抹消の二保は、前日のバファローズ戦で4勝目を挙げていた。

 10日抹消の和田も、前日のイーグルス戦では6回途中無失点で白星。

 13日抹消の武田は、前日のライオンズ戦でやはり勝ち投手に。

 17日抹消はまた二保で、前日は白星こそつかなかったが5回途中3失点と粘った。

 21日抹消の石川は、前日のイーグルス戦で自身3連敗を喫したが、8回2失点と投球内容自体はずっと悪くなかった。

工藤監督「10月はじめまでローテは組んでいる」

 工藤監督は9月の早い段階で、先発ローテについてこのように明言をしていた。

「10月のはじめくらいまでローテは組んでいます。その予定通りに進んでいます」

 選手層が厚く、各選手のレベルが高いホークスだからなせる業だともいえるが、工藤監督はコンディションを注視しながら、10日以上の登板間隔をあけて調整させた。そして抹消期間中も基本的には一軍に帯同させ、自身の目の届く範囲で確認し声も掛けた。

 また、登板予定のない先発投手は遠征に帯同せずに福岡に残留させた。それは昨年も行っていたが、今年の場合はファーム施設のHAWKSベースボールパーク筑後ではなくPayPayドームで練習を行うことができた。コロナ禍により各種イベントが中止・延期となったためだ。

 今年来日1年目のマット・ムーアは「メジャーではどんな時もチーム全員が遠征に同行するのが当たり前だから、自分と2、3名だけ残って練習をするというのは少し複雑だったよ」と少々戸惑ったようだが、「逆に責任感も生まれる。集中して調整に取り組むことが出来ている」とプラスにとらえていた。

9月になると登板数が減ったモイネロ

 万全な状態で臨んだ先発投手がきっちり役割を果たすことで、登板過多気味だったブルペン投手陣のコンディションも改善されている。

 守護神の森唯斗の貢献も大きいが、やはり8回を託されるリバン・モイネロがチームの浮沈のカギを握っている。

 9月29日時点でモイネロはパ・リーグ最多の40試合に登板している。31ホールドは2位に10差つけて断トツ。38回1/3投球回で68三振を奪っており、奪三振率15.97と驚異的な数字を残している。

 そのモイネロは8月まで、週に3度登板するのが当たり前だった。8月第4週などは4試合もマウンドに上がっていた。

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