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オリックス田嶋大樹を変えたコーチの叱責 「180度変わった」思考で掴んだプロ初完封

posted2020/10/01 07:00

 
オリックス田嶋大樹を変えたコーチの叱責 「180度変わった」思考で掴んだプロ初完封<Number Web> photograph by Kyodo News

プロ入り後初となる完封勝利をあげた16日の楽天戦。捕手・伏見と笑顔でハイタッチした

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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 今年のオリックス・田嶋大樹はブレない。

 プロ初完投初完封勝利を飾った9月16日の楽天戦では、表情を変えることなく0を並べた。初めての完封ともなれば、終盤になるにつれて意識し、力んでもおかしくないが、田嶋はひょうひょうと投げ続けた。

「リラックスすることだけで、他は何も考えてなかったです。気づいたら、あ、もう9回か、みたいな感じでした」と振り返る。

 左腕をしならせ、最速151キロを記録した好調のストレートを軸に打者を圧倒。6回以降は1人のランナーも許さず、118球、わずか2安打で初完封を成し遂げた。

 3年目の今年はマウンドで、とにかくリラックスすることを心がけている。

「僕は本を読んでる時が一番リラックスできるので、そのイメージを(マウンドでも)頭に植え付けています」

 この日の完封勝利が、13試合目にしてようやくたどり着いた今季2勝目だった。

 今年は開幕からローテーションに入り、それまでの12試合中8試合がクオリティスタートと安定していたが、援護に恵まれず、勝ち星がついたのはそのうちわずか1試合。我慢の時期が続いていた。

 しかし田嶋は揺らがなかった。「冬からずっとやってきたことを、信じて続けるだけ」という一念だった。昨オフからの取り組みが、田嶋に自信を与えていたからだ。

期待された1年目は怪我に泣かされた

 田嶋は、佐野日大高からJR東日本を経て、2018年にドラフト1位でオリックスに入団した。ルーキーイヤーは開幕ローテーションに入り、6月の時点で6勝を挙げ、新人王候補と目された。しかし、左肘を痛めてその年の6月末に登録抹消となった。

 復帰には思いのほか時間を要したが、昨年6月5日のDeNA戦で復帰登板を果たす。約1年ぶりに勝利をつかみ、再び一軍のマウンドに立てた喜びと、支えてくれた人々への感謝の思いを口にした。

 復帰戦から4試合で防御率0点台と好調だったが、次第に、序盤から崩れる試合が増えていった。

【次ページ】 「お前は二軍で何やってきたんだ」

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