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ロッテに4勝10敗…「ソフトバンクが(まだ)本気出してないんじゃないか問題」を検証する
posted2020/09/30 19:00
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Jiji Press
もう何度目だろうか。ため息交じりに首を傾け、目を背けたくなるシーンがまた繰り返されてしまった。
ホークスは9月27日、苦手マリーンズと敵地千葉のZOZOマリンスタジアムで戦い4対8と完敗を喫した。
1勝1敗で迎えた首位攻防第3ラウンドだった。ホークスは初戦を落としたが、2戦目は前日に失点につながる痛恨のエラーをやらかした周東佑京が3安打4打点の大活躍を見せて一夜で名誉挽回。先発の東浜巨は粘りの6回3失点でバトンをつなぐと、盤石のリリーフ陣が無失点リレーで逃げ切った。
この勝利で首位ホークスは2位マリーンズとのゲーム差を「2」に戻していた。その差がここから1つ広がるか、縮まるか。その重要性は説明するまでもない。果たして迎えた緊迫の3戦目だったが、試合の大勢はあっけなく決まった。
四死球「105」対「45」
先発を任された二保旭が試合序盤で崩れてしまった。初回、1アウトから死球、四球、一塁失策でいきなり満塁のピンチ。するとマリーンズ打線につかまり一気の3連打、4点を奪われた。さらに二回も1アウトからの連続フォアボールで走者を溜めると井上晴哉に2点二塁打を浴び、ここでノックアウト。2番手の笠谷俊介も代わり端にタイムリーを打たれたため、二保は1回2/3で7失点という残念な結果に終わった。
二保の失点は今季ワーストで、さらに今季自己ワーストタイだったのが4与四死球だった。その後のリリーフ投手陣は粘って大きな失点こそしなかったが、笠谷も四死球4つを与え、3番手の泉圭輔は2与四球の内容だった。相手主軸のマーティンに対しては1打者1試合5四球というリーグ最多タイを含め、3連戦で計11四球を与えてしまった。
とにかく、この対戦カードになると、四球数の差がクローズアップされる。それも致し方ないほどはっきりと差が現れている。ホークス投手陣がマリーンズに与えた四死球数「105」に対して、マリーンズ投手陣の対ホークスは「45」と半分以下だ。
4勝10敗1分……ホークスは、まだ本気出してないだけ?
結果、ホークスは開幕から4カードでマリーンズに負け越し、トータルで4勝10敗1分となった。昨年の8勝17敗よりも勝率は下回っている。
ホークスとしては直視するに堪えない現実だ。
しかし、一方ではこのカードを終えたところでは、首位を堅持しているのもまた事実だ。
ふと脳裏を過ぎる。
<ホークスは、まだ本気出してないだけ>――。