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「久保建英をバルサから横取りできて、レアルは鼻高々」地元紙記者が語った移籍の真相
posted2020/09/30 18:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images
スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』のアルバロ・オルメード記者が、レアル・マドリーが久保建英獲得を発表した6月14日以降連日、南米選手権のため調整を続ける日本代表の練習場を訪れていた。お目当ては、もちろん久保である。
『マルカ』は“白い巨人”の上層部にまで食い込んでおり、このメガクラブに関する情報の深度と精度において他メディアの追随を許さない。「日本のメッシ」との異名で報じられた久保の移籍に関する疑問点を、洗いざらい問い質した。
バルサの下部組織時代から注目していた
――レアル・マドリー(以下、マドリー)関係者の久保への率直な評価は?
「非常に高い。同世代のスペイン選手よりずっと上と評価している」
――マドリーはいつから彼に注目していた?
「バルセロナの下部組織時代からだ。強化部は、世界中の優秀な若手の動向に常に気を配る。仮に、それが今はライバルクラブ所属であろうとね。それは将来、隙があれば獲得するため。だから、マドリーにとってクボの獲得は過去数年来の努力が結実したことになる」
――久保を争ったクラブは?
「マドリー、バルセロナ、パリSG、アヤックスなど」
――スペインでは、2大クラブ以外は興味を示さなかったのか?
「もちろん、欲しかったはずだ。しかし、マドリーとバルセロナに財力で太刀打ちできるはずがない。手を出そうにも出せなかった」
――マドリーは、日本およびアジア市場への経済効果も考えたのだろうか?
「それもあるだろう。クラブ史上初めてアジア人選手を獲得したことは、アジア戦略においても大きな意味がある。ただし、もちろん選手の実力あってのことだ」