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コントレイル三冠馬へ向け挑む秋初戦 「過大評価」の声をはねのけた“走る馬”の苦悩とは
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/09/25 20:00
19年東京スポーツ杯2歳S(GIII)時のコントレイル。単勝2.5倍の1番人気に応えた。27日の神戸新聞杯(GII)では、1倍台のオッズが確実視される
「海外挑戦を狙える器だと」
当時、私はコラムでムーア騎手との質疑応答を次のように記した。
“世界でも通用すると思いますか?”
これに対し、世界を知る鞍上の答えは
「ハイレベルの日本でこれだけの勝ち方が出来る馬なら当然、世界レベルと考えて良いでしょう」
また、管理する矢作調教師はこの3週ほど前にリスグラシューを駆ってオーストラリアのコックスプレート(GI)を優勝していた事もあり、次のようなやり取りをしたのも同様に記した。
“将来的には海外挑戦ですか?”
こう聞くと、指揮官は「それだけの事を狙える器だと感じています。行きたいですね!」
これらを記したコラムに対し、中には「たった2戦目の2歳馬に対して、海外だなんてどれだけの過大評価をしているのか?」と書き込む読者がいた。実際、2歳の時にどれだけ凄いパフォーマンスを見せても、すぐに尻すぼみになる馬は多数いるので、この意見を辛辣に批判する気は毛頭ない。しかし、ことコントレイルに関して言えば、こちらの見解に誤りがなかったと思えるような活躍を、その後も継続してくれたと言えるだろう。無敗の二冠馬が、三冠へ向け、いや、その後の世界獲りや向け、どんな始動を見せるのか。現在ならこう記しても納得してくれる読者の方が多いのではないだろうか……。今週末の神戸新聞杯の走りに、改めて注目したい。