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コントレイル三冠馬へ向け挑む秋初戦 「過大評価」の声をはねのけた“走る馬”の苦悩とは
posted2020/09/25 20:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
今週末、27日の日曜日、中京競馬場では神戸新聞杯(GII、芝2200メートル)が行われる。菊花賞(GI)を占う意味でも重要なレースだが、ここに春の二冠、すなわち皐月賞(GI)と日本ダービー(GI)を制したコントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が出走する。
同馬は2011年のオルフェーヴル以来となる三冠馬を目指すわけだが、そのオルフェーヴルが菊花賞前の秋初戦として走ったのもこの神戸新聞杯。見事に快勝、のちに三冠馬となった。
更にその前の三冠馬となると、05年のディープインパクトとなるが、この史上最強とも言われる名馬は、今回三冠制覇を目指すコントレイルの父であり、無敗で三冠を制した。秋の始動戦はやはり神戸新聞杯であり、当然のように優勝していた。
必ずしも前哨戦で完勝するとは限らない
さすがトリプルクラウンを獲るような馬達は、前哨戦でも強い競馬を見せていたわけだが、そこは競馬なので、必ずしもこういった非の打ち所がない結果におさまるばかりとは限らない。例えばディープインパクトから更に遡った三冠馬である1994年のナリタブライアンの場合、菊花賞直前に走った京都新聞杯(GII、現在はダービー前に日程が変更されているが、当時は菊花賞の前哨戦の一つだった)ではよもやの2着に敗退。藤田伸二元騎手を背に先に抜け出したスターマンをクビ差、捉える事が出来ずに終わっている。三冠を決めた菊花賞では2着に7馬身もの差をつけたシャドーロールの怪物をしても、前哨戦を落としていたのだ。