昨年と一昨年はほとんどが二軍でのプレーだった

　昨年までは一打席でも多くの経験を積ませようとするチーム方針もあり、二軍暮らしが主だった。しかし、安田の思いは異なる。

　プロ2年目の昨年も春季キャンプからブランドン・レアードや鈴木大地（現東北楽天）とのレギュラーを争うチャンスは与えられた。全力でぶつかり、そして敗れたのだ。チャンスを生かせず、首脳陣にアピールすることができなかった。

　その経験を安田は忘れていない。その悔しさがあるからこそ、今季は「もう2度と浦和には戻りたくない」という強い意思のようなものも感じさせる。

「昨年と一昨年はほとんどが二軍でのプレーでした。それが今は一軍でプレーしている。ファームにいるときよりも強い責任感を感じます。一勝の重みや、一敗の重みも日々、試合の中で感じています。試合に入る前は凄く緊張もしますが、一方でやりがいも感じます。自分が活躍したときはその分だけ嬉しいし、練習してきて良かったなと感じることができる。それはファームにいたときより強く感じます。逆に自分が打てなかったり、ミスして負けたときは精神的にもきつい。でも、そういうところで勝負がしたくて、この世界に入ってきたので、プエルトリコのときとは違った楽しさ、やりがいを、3年目にして感じているところです」

オープンスタンスからスクエアスタンスに

　今春のオープン戦では9試合で22打数3安打、打率1割3分6厘と再び一軍の壁にぶつかった。はた目にも、様々な試行錯誤を繰り返しているようだったが、緊急事態宣言明けの6月の練習試合あたりから目に見える明らかな変化が現れた。

　その1つがスタンスだ。今年の春先までは右足を開いたオープンスタンスで構えていたが、6月以降は両足を並行にして構えるスクエアスタンスに変えた。その経緯を安田はこう説明する。

「色々試していくうちに足の上げ方をちょっと変えてみました。マーティンが参考になった部分もあって、バッティングを教えてもらう中でちょっとマーティンに似せて『こういう足の上げ方はどうか？』と聞いて試したらよかったんです。それでスクエアに変えてみました」

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