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あの熱狂から1年! 具智元と振り返るラグビーW杯名場面 "ガッツポーズ&交代"秘話
text by
朴鐘泰Park Jong Tae
photograph byNaoya Sanuki
posted2020/09/20 11:40
スクラムで大活躍した具智元。試合後に見せる愛くるしい笑顔もファンを魅了した
(6)堀江さんの「無理したらあかんで」
スコットランド戦で僕は、前半21分にアサさんと交代しました。実は、前のサモア戦で右わき腹を痛めてしまって、スコットランド戦が始まって、ちょっと力を入れるだけで、かなり痛む。でも、プレーを続けたい。でも、厳しいかもって、心が揺れていました。
そこで、堀江(翔太)さんが声を掛けてくれました。「無理したらあかんで。あかんかったら早めにいいや」と。
僕としては、スタメンなのに前半で交代するなんてチームに迷惑がかかると思っていたら、堀江さんは、「そっち(プレー続行)のほうが迷惑かけるで」と。
いま思えば、堀江さんの言うとおりにして、本当によかったと思っています。堀江さんはW杯中も、W杯前の合宿でもずっとルーミー(ホテルで同部屋)で、いろんなお話をして、すごくよくしてもらいました。心から尊敬できる先輩です。
(7)フミさんのタックル
先輩といえば、フミさん(田中史朗)にもすごくお世話になりました。フミさんは普段「オフ」の時はやさしいし、冗談も言っておもしろい先輩なんですが、ラグビーのスイッチが「オン」になると、ものすごく厳しいし、激しいし、熱い選手です。
W杯では先発の流(大)さんに代わって試合終盤に出場して「ゲームを締める」役割でしたが、見事だったと思います。サモア戦のタックルもベンチから見ていて、とても頼もしかったです。
(8)もっと聞きたかった「リーーーチ!」
キャプテンのリーチ(マイケル)さんがボールを持つたびに、「リーーーチ!」の掛け声が起きましたよね。リーチコールをもっと聞きたいから、僕もリーチさんに長くボールを持ってほしいと思っていました(笑)