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内村航平や村上茉愛ら復活を期す体操“4人のエース” 試金石の全日本シニア選手権へ
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKYODO
posted2020/09/19 17:00
去年の全日本シニア選手権は個人総合で5位に終わった内村。今年は鉄棒専念表明後、初の実戦となる。
「競技会が1つのモチベーション」
村上とともに女子の主軸を担ってきた寺本明日香は今年2月の強化合宿で床の練習中、左足アキレス腱断裂の大怪我を負った。
あまりにも大きなアクシデントだったが、東京五輪が1年延期になった時間をいかしつつ、復活を期して歩んできた。
先月には強化合宿に参加できるところまで回復してきた。
「(全日本シニアでは)久しぶりの試合の感覚を味わいたいです」
と、大会を心待ちにしている。
それぞれに紆余曲折を経て、苦しさも味わいながら、試合という場に戻れるところに来た。そして大会への熱意を秘めるのは、彼らばかりではない。
「選手にとって競技会が1つのモチベーション」(全日本シニア連盟・塚原光男専務理事)
その言葉の通り、出場する選手たちの意欲は高いだろう。
大舞台あるいはそれぞれの目標を胸にしつつ、体操が再びできる喜びとともに。今年の全日本シニアは、それぞれの選手たちにとってきっと貴重な場となるはずだ。