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皇治は嫌われ者なのに人気者? 圧倒的不利な那須川天心との闘いに挑む男の大阪愛
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byMotoo Naka/AFLO
posted2020/09/14 19:30
9月27日、那須川天心と闘うことが決まった皇治(右)。嫌われ者なのに人気者のこの男は神童にも怯まない。
皇治の大阪愛が状況を動かした
「ことあるごとに池田や大阪から世界へと発言していますからね。それで池田市のスポーツ親善大使となり、市長からの応援も受けている。行政を巻き込んだことで、人とのつながりをどんどん増やしていったことが大きいと思いますね。そうすることで、皇治は小さなつながりを大きなつながりにすることができたんですよ。数年後、皇治が大阪で引退試合をするなら、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)にひとりで5000~6000人の観客を集めることも可能でしょうね」
世間に対して他の選手とは全く違うアプローチをすることで自分の名を広めていったという意味で、皇治は全くニュータイプの格闘家ということもできる。ある意味、皇治の行動や発言によって波風が立つのは、前例のないことばかりなのだから仕方ないのかもしれない。ファンとの「新しい風景を見せる」という約束を果たすため、K-1に高額な違約金を支払ってまでRIZINに移ったのは、その最たるものだろう。
「ただの田舎のヤンチャやった自分がね、格闘技に救われ、格闘技で飯を食っている。格闘技が盛り上がらなかったら面白くないじゃないですか」
皇治は、嫌われ者なのに人気者だからこそ魅力がある。那須川戦では、どんな生きざまを魅せてくれるのか。