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大橋会長が語るボクシングの未来。
井上尚弥vs.那須川天心の可能性。
posted2018/02/06 17:00
text by
鈴木忠平Tadahira Suzuki
photograph by
Ichisei Hiramatsu
ラスベガス進出か。井上尚弥vs.那須川天心か。ボクシングの未来はどっちだ。
かつて「天才」と称されたカウンターパンチで世界ミニマム級王者となった男がいる。大橋秀行。第19回「Number Sports Business College(NSBC)」の講師である。
日本プロボクシング協会の会長を務め、男女合わせて世界王者を4人輩出している大橋ジムの会長でもある元チャンピオンと、じつはボクサーだったという池田純氏が、岐路に立っている業界の将来像を語り合った。
池田 じつは私もボクシングをやっていたんですよ。DeNAの執行役員の時、最初はキックボクシングをやっていたんですけど、足を蹴られると仕事できないと思ってボクシングを始めたら、のめり込んでしまって。
もともとは『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ボクシング予備校」という企画を見て、ボクシングに興味を持ったんです。その少し前に(マイク・)タイソンが東京ドームで試合をして、みんながテレビにかぶりついて見ていて。あのあたりからでしたね。
練習生が一番増えたのは『ガチンコ!』の時。
大橋 あの頃が黄金時代だったと思います。練習生の中でプロライセンスを持っている人は1990年が約1500人だったんですが、それから毎年増えて2004年がピークで3600人くらい。そこから落ちて、今は2300人くらいですかね。
僕がジムを開いたのが1994年なんですけど、その時に入ってきた練習生の9割がプロ志望でしたが、今は逆で9割が健康のためとか、痩せたいからとかそういう理由です。プロを目指す人は10%を切っているんじゃないですか。
ちなみに一番、練習生が増えたのは『ガチンコ!』という番組の「ガチンコ・ファイトクラブ」という企画があった頃でした。不良っぽい人がたくさん来ました。次から次に来て、あまり続かなかったんですが(笑)。