昇格組が昨季王者に三たび追いつく

　勇敢にチャンピオンに挑み続けるリーズは、リバプールの主将ジョーダン・ヘンダーソンが交代でピッチを去った直後、相手の中盤が整わないうちに襲いかかる。

　左から中央を経由してマテウシュ・クリフが右にボールを動かすと、ボックスに走り込んでエウデル・コスタのクロスを引き出し、巧みなトラップからシュートを放って豪快に名手アリソンを破った。昇格組が昨季王者に三たび、追いついてみせた。

　しかしここからは時間の経過とともに、個々のクオリティの差が現れ始め、終盤はリバプールが猛攻を仕掛けていく。ベンチを含めて、ほぼ全員が代表選手のリバプールに対し、リーズにはそんな選手が数えるほどしかいないのだ。

　チーム同士はインテンシティの高い似たプレースタイルで、指揮官はどちらも名将でも、昨季の1部王者と2部王者では選手の能力に差があって致し方ない。

ロドリゴが敗北の引き金を引いた皮肉

　その意味では、後半途中に投入された新加入のスペイン代表──リーズで数少ない代表選手だ──ロドリゴが、敗北の引き金を引いてしまったのは皮肉だ。

　3000万ポンドのクラブ史上最高額で引き抜かれたニューカマーは、自陣ボックス内でファビーニョを倒してしまい、与えたPKをサラーに決められた。サラーは開幕戦からハットトリックを達成し、リバプールに価値ある勝ち点3をもたらしている。

「3得点できたのは、とてもポジティブなことだ」とビエルサ監督はとてつもない開幕戦を振り返った。

「非常に効果的にゴールを決めた（枠内シュート3本で3得点）が、十分な得点チャンスを作れなかったとも言える。また4失点も看過できるものではない。そのうちのいくつかは阻止できたものだ」

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