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クロップvs.ビエルサ、至高の90分 リバプールとリーズ“格差対決”が名勝負になったワケ 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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posted2020/09/14 18:00

クロップvs.ビエルサ、至高の90分 リバプールとリーズ“格差対決”が名勝負になったワケ<Number Web> photograph by Getty Images

試合後、満面の笑みのクロップと少し悔しそうなビエルサ。両監督の表情からは、好ゲームだったことがビンビンと伝わってくる。

代表歴を持たない選手たちが躍動

 ちなみにハリソンはA代表経験を持たないが、この23歳のウイングがここで翻弄したのは、2人のイングランド代表DFとブラジル代表GKだ。

 また元々アタッカーだったフィリップスはビエルサ監督によってアンカーにコンバートされ(その意味でもカルロ・アンチェロッティ監督にレジスタの才を見出されたピルロと同じだ)、先のデンマーク戦で代表にデビューしている。同じくビエルサのもとで主力に成長したハリソンも、イングランド代表のギャレス・サウスゲイト監督は注視しているに違いない。

 スリリングな展開は続き、20分にはアンディ・ロバートソンのCKにフィルジル・ファンダイクが強烈なヘディングを合わせて、リバプールが再びリード。しかし10分後には、リーズのレフトバック、スチュアート・ダラスが浮き球のフィードを前方に送ると、ファンダイクがクリアしそこなってボールは背走していたパトリック・バンフォードのもとへ。

 欧州各地に散らばるチェルシーからのローン部隊のひとりだった27歳のFWもまた、ビエルサ監督の教えによってキャリアが好転した選手だ。数分前に得たビッグチャンスでシュートを打ちきれなかったストライカーは、このシーンでは迷いなく右足を振って同点ゴールを奪った。

サラーの超絶ボレーにもめげずに

 結果を出しまくる王者はそれでも3分後、ロバートソンの放ったFKがボックス内にこぼれると、時を得たサラーが左足の凄まじいハーフボレーで右のトップコーナーを撃ち抜いた。

 1点をリードされて後半を迎えたリーズは依然、高速3トップを擁する王者を相手にしながらも、最終ラインを高く押し上げ、前線から激しくプレスをかけ続ける。

 マイボールの際には、フィリップスを中心にパスワークを試み、それが難しければ、長いフィードに活路を見出す。58分には新加入のCBロビン・コッホからのロングフィードにハリソンが抜け出し、ループシュートから最後は相手のオウンゴールになったかと思われたが、これはオフサイドの判定に。

【次ページ】 昇格組が昨季王者に三たび追いつく

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