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ネイマールと女王マルタが同一賃金? “男女セレソン平等”の実態は……
posted2020/09/13 17:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
(L)Kaoru Watanabe/JMPA,(R)Getty Images
「ブラジル代表で(女子のエース)マルタが(男子のエース)ネイマールと同額の報酬を得る」
世界各国のメディアが、このような言い回しで一斉に報じた。
9月2日、ブラジルサッカー連盟(CBF)が「男子代表と女子代表の日当や出場給を同額とし、参加する大会の賞金が同額であれば選手へのボーナスも同額とする」と発表したのである。
2018年以来、オーストラリア、ノルウェー、ニュージーランドの協会が同様の決定を下しており、ブラジルは世界で4番目の「フットボール代表における男女同一賃金を宣言した国」となった。
そして翌日、イングランド協会も「今年1月から出場給とボーナスを男女同額としていた」と発表した。
女子セレソン監督はスウェーデン出身
ブラジル女子代表監督のピア・スンドハーゲは「歴史的な決定であり、本当に素晴らしいこと。自分がその一翼を担っていることを誇らしく思う」と喜び、「今後、さらに良い結果を残すため、私たちはベストを尽くす」と意気込んでいる。
スンドハーゲは、男女平等の先進国スウェーデンの出身だ。現役時代は代表でも活躍した名ストライカーで、引退後はアメリカ代表を率いて2008年と2012年の五輪で金メダルを獲得し、2011年ワールドカップ(日本代表が初制覇)でも準優勝した。
2016年の五輪でもスウェーデン代表監督として銀メダルを獲得している名将だ。昨年7月、ブラジル女子代表の監督に就任して以来、CBF首脳に様々な改革を提案してきた。
FIFA年間最優秀選手に6回選ばれ、「スカートを履いたペレ」と呼ばれるマルタは特にコメントを発していないが、今回のCBFの決定を歓迎しているのは間違いない。