ミスが起きたときに出番があるのはGK

　後半33分には、決定的とも言える浮き球のボレーシュートをゴールライン上で見事にセーブした。このシュートストップは、第6節での『DAZN週間スーパーセーブ』のベストセーブにも選出されている。それ以外でもビッグセーブを連発し、自分が何者であるかを示せたゲームだと胸を張る。

「決定機を作らせたから、フィールドの選手の責任なのかというと、そうではないと自分は思ってます。もちろん、全部を防げるわけではないですよ。でも、そこで味方に『あれはお前が悪かっただろ？』と言うんじゃなくて、『じゃあ、俺が止めるよ』ってなりたいんです。あの浦和戦は、そういうシチュエーションが多かったですね」

　未知で難解な局面で、自分を証明していく。目指すGK像も、そこにあるのかもしれない。

「それがいいですね。フィールドに要求することも色々とありますけど、ミスが起きた時に出番があるのがGKですから、そこで自分が止めてしまえばいい。今はそういう風に思っています。そして、こいつだからこういうプレーをしたのだと、自分を証明し続けられたらいい」

　自分のサッカー観をここまで話す機会も、なかなかなかったのだろう。インタビューが終わった後、将棋を愛するGKは「1年分ぐらい話しましたよ」と、一局を終えた棋士のような充実した表情で笑顔を見せていた。

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