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愛棋家GK中村航輔が大いに語る、藤井聡太戦での渡辺明のプライド&三丸拡との『将棋ウォーズ』
posted2020/09/10 11:30
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph by
Kenji Iimura
「いやぁー、もうずっと喋っていたいですね」
寡黙と言われる中村航輔が、そう言って笑っていた。
この男、将棋の話題になると、まるで違う表情を見せるのである。
登場してもらったのは、現在絶賛発売中のNumber(1010号)の将棋特集だ。その中の「愛棋家アスリート、3手詰め!」という企画で、オンラインインタビューを行ったのである。中村に将棋愛をたっぷりと語ってもらったのだが、紙面の都合により大幅にカットせざるを得ない話題がほとんどであった。そこでWebで展開することになった次第である。
サッカー中継でも次の一手が……
まず聞いたのは、最近の将棋界についてだ。
話題はやはり現役最年少プロ棋士である藤井聡太二冠になる。
「新たなヒーローが出ましたよね。一時期はテレビのワイドショーでもコロナか藤井二冠か、というぐらいやってましたから」と微笑み、時間に余裕があるときは、AbemaTVの対局中継やYouTubeチャンネルの解説動画を観ながら将棋ライフを楽しんでいると明かす。
「序盤は定跡があるので、ある程度ですが、わかりますね。AbemaTVでは評価値が出るじゃないですか。中盤になって指し手が示されている中で、棋士の人が違う手を指したりするのも面白いですね。サッカーの中継でも『この流れだったら、こっちの方がいい』とか、次の一手みたいなことがリアルタイムで表示されたら見る方も面白いと思いますよ」
好きな棋士は羽生善治九段と公言しているが、お気に入りの解説者に挙げたのは藤井猛九段。独自の「藤井システム」を編み出して竜王位を獲得するなど、将棋界の歴史に革命を起こした人物である。味のある語り口調もあり、将棋ファンから人気の高いベテラン棋士だ。
「解説がすごく面白いし、ああいう独特な人が好きですね。棋士は本当に個性的な人が多いですよ。あれはなんなんですかね?」と楽しそうに話す様子は、ごく普通の将棋ファンと変わらない。