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千葉ジェッツのチアリーダーズ「STAR JETS」“勝率100%”不敗神話の秘密を探る
posted2020/09/10 20:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
CHIBA JETS FUNABASHI
CSは競技としてのクライマックスであると同時に、各チームがホームアリーナに創り出した“スポーツエンターテインメントの総決算”でもある。各チームがどんな想いを込めて特別な空間を創ってきたのかは記憶される価値がある。
全3回の短期連載シリーズ、最終回は千葉ジェッツで新たな役割を担うチアリーダーについて。
応援を先導すること、ハーフタイムやタイムアウトのダンスで観客を楽しませること。
それだけがチアリーダーの仕事だった時代は、終わりつつあるのかもしれない。
その意味で、千葉ジェッツふなばしのSTAR JETSはチア界のトップランナーだ。「今日の試合に絶対勝つぞ!」とみんなが信じる空気を彼女たちは作り出す。現在のBリーグで会場の空気を一変させられるのは、彼女たちだけだろう。
バスケットボールには触れずに、チームの勝率が100%になる魔法をかけるのだから――。
STAR JETS、活躍のはじまり
きっかけは2019年1月16日の栃木ブレックス(現宇都宮ブレックス)とのホームゲームだった。
ジェッツのホームゲームではその節ごとに冠スポンサーがつき、その会社にまつわるイベントが場内で行なわれる。
「冠スポンサー」はこのティップオフ直前、スターティング・ファイブの入場前の時間を自由に使える。社長が挨拶をする会社もあれば、ゲストを呼ぶこともあるし、始球式ならぬ始“投”式を選ぶ会社もある(始投式でシュートを外したときにはジェッツの選手がリバウンドを取り、シュートを決めてくれる)。
あの日は、クラブのオフィシャルパートナーを務め、ユニフォームの胸スポンサーでもある「金太郎ホーム」の冠試合だった。
試合会場は本拠地の船橋アリーナではなく、第二のホーム・千葉ポートアリーナだった。普段と仕様は異なるのだが、ポートアリーナにしかないものもある。例えば、コートの真上につり下げられ、四方から映像を確認できる大型のハングビジョンがそうだ。
ティップオフ前の時間にアリーナを使って、インパクトのある演出を行ないたいというのが「金太郎ホーム」の意向だった。熟考の末、ビジョンから幕を垂らし直前に優勝していた天皇杯の映像を投影してからスターティング・ファイブの発表につなげることに。
そして幕が下りる前にSTAR JETSが熱のこもったダンスを披露すれば、より演出が引き立つのではないかという案が出され、これが採用された。
ではどんな音楽にあわせて踊るのが効果的なのか。