1万人、10万人に何を届けられるか

　新しいシーズンは様々な制約のなかでスタートする。

　Jリーグは観客の手拍子は禁止というルールで中断していたシーズンを再開させた。

　Bリーグは新シーズン、観客の手拍子は禁止していない。手拍子と感染リスクの上昇に因果関係は見られないと専門医が見解を示したからだ。

　手拍子ができるのであれば、チアリーダーは声を出さず上手に手拍子をうながして観客を楽しませることができる。腕の見せ所だ。

　プロデューサーの松田は言う。

「目の前にお客さんがいれば、それが1人でも、5000人でも、100％のものを届けるのがチアリーダーだと思っているので。貴重な時間を使って来てくださるお客さんにむけて、しっかりやることには変わりはありません。

　今シーズンは画面で見る方がすごく増えてくるだろうなと思うので。会場の5千人だけではなくて、その先の1万人、10万人に何を届けられるかということを考えるのはすごく楽しいことだと思いませんか？」

　実は彼女たちには昨シーズン、チームがCSに出場したときのために用意していたプランがあった。でもそんなことはおくびにも出さず、新時代の観戦スタイルに笑顔で挑んでいく。

　そのマインドが、彼女たちの強さである。

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