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千葉ジェッツのチアリーダーズ「STAR JETS」“勝率100%”不敗神話の秘密を探る
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byCHIBA JETS FUNABASHI
posted2020/09/10 20:00
STAR JETSは「試合に勝つ」という空気を作る、圧倒的なパフォーマンスを見せる。
大事な一戦で大事な曲を踊る責任
プロバスケットボールの試合では、ホームチームのオフェンスとディフェンスの時にそれぞれ決まった曲がかかるのが一般的だ。ジェッツの場合には攻撃時には「Let's Go」(Calvin Harris featuring Ne-Yo)が流れる。
ジェッツの試合を見たことのある人たちならば、誰でも聞いたことのあるあの曲にしよう。
それで意見はまとまった。
STAR JETSの一員であるIchikaはこの決定を知らされ、嬉しく思った。
「『やっぱり、この曲ですよね!』って。ブースターさんに馴染みのある曲なので、踊れば、すごい一体感を出せると思っていましたから」
会場で常に流れているから、ファンやブースターへの認知度は抜群だ。
ただ、繰り返し流れるからこそハーフタイムやタイムアウトなどで踊るのは見送ってきた曲でもあった。
「同地区で首位争いをしているブレックスさんとの大事な一戦。そういう試合の、大事な時間に、ジェッツが長年使っている曲で踊る。『会場を一つにする雰囲気を、何としてでも作らなければ』と思いましたけど、そういう機会を作ってもらえることは、チアリーダーとして本望なんです!」
STAR JETSといえばこれだという曲
試合当日、演出はバッチリ決まった。
想定外だったのは、「Let's Go」が流れているときの観客の反応だった。会場から音楽に合わせて自然と「GO! JETS!」という声があがったのだ。
まるでミュージシャンのコンサートやライブのような光景だった。ある曲を喜ぶファンがいて、それに合わせてコールや振り付けが生まれる。そして定番になる。
STAR JETSのプロデューサーを務める松田華衣は、あの光景を見ながら感じていた。
「うちのメンバーはどの曲にも気持ちを込めて踊ってくれていますが、あの曲は特に思い入れが伝わってきますし、ブースターさんたちもそれに応えてくれます。私は踊りを作る側ですけど、『自分があそこで踊っていたら最高だろうな』と思ったり(笑)。
STAR JETSといえばこれだという定番ができたのも嬉しいです。この曲が街で流れていたら私たちが踊っている映像が見えてくるでしょうし、そういう曲になったのもファンやブースターのみなさんの反応があったからです」