水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
オルンガは“足の振りの速さ”が強烈!
水沼貴史が語る外国籍FW活躍の秘訣。
posted2020/08/29 11:50
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph by
J.LEAGUE
連続試合ゴール、J1記録に並べるか――?
第11節ヴィッセル神戸戦でリーグ戦7試合連続ゴールをマークしたことで注目を集めたオルンガ。12年破られていない記録に挑みましたが、12節大分トリニータ戦ではノーゴールに終わり、連続試合ゴールはストップしました。
仮に点を獲っていれば、マリノスで活躍した元スペイン代表FWフリオ・サリナスが持つJ1記録(1997年2ndステージ第11節~'98年1stステージ開幕戦、当時は1部制)に並ぶはずでした。残念ではありますが、7試合連続ゴールはとても立派な数字です。
<歴代J1連続ゴール数>
8試合:1人
サリナス(1997~98年/横浜M)
7試合:8人
オルンガ(2020年/柏)
ドウグラス(2019年/清水)
小林悠(2016年/川崎)
マルキーニョス(2008年/鹿島)
エジムンド(2002年/東京V)
高原直泰(2002年/磐田)
エメルソン(2002年/浦和)
森島寛晃(1998年/C大阪)
第12節を終えた時点で現在J1得点ランキングトップの12ゴール、柏の総得点の半分を1人でマークしているオルンガ。最大の長所は「どこからでも点が獲れること」。左足6、右足3、頭3とバリエーションが豊富。スピードがあって裏に抜けることもできるし、足元の技術も高い。左足でのゴールが多いですが、スペースさえあればなんでもできるタイプです。
シュート時の足の振りが速い!
ただ最近は当然、警戒される場面が増えてきました。それでもオルンガはゴールを量産しています。それは1つ、シュート時の足の振りが速いことがあるでしょう。193cmと大柄なんですが、時間と場所がない中でも振り幅を短くドンッと強いシュートが打てるんです。
かつてのブラジル代表ロナウドのように、足の振りの速さはストライカーにとって必要な素質の1つだと思いますね。
また、シュートに関していえば、やはり威力が桁違い。アフリカ系特有(オルンガはケニア人)なのかもしれませんが、細くて長い足をしならせるようにして繰り出す強烈なシュートは相手DFやGKにとっては厄介。そのイメージがあるだけで、90分間常に怖い存在のはずです。
それでいて高さもありますから。直近のゲームでは、10番・江坂任とのコンビも好調ですよね。2人が縦関係になってからさらによくなりました。