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藤浪晋太郎“完全復活”へ必要なこと。
藪恵壹が見る課題と起用法の提案。
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph byKyodo News
posted2020/08/28 11:40
21日ヤクルト戦で692日ぶりの勝利を挙げた藤浪晋太郎。藪氏は藤浪が勝利を重ねるために、起用法の「基準」を求めた。
バット、走塁でも貢献した藤浪。
そして迎えた21日ヤクルト戦。2回にタイガースにとっては38イニングぶりの得点が入りましたが、その1点目をもぎ取ったのは他ならない藤浪のバッティングでした。技のあるサードならアウトになっていたかもしれませんが、本人もダブルプレーになるんじゃないかと思って一生懸命走ったそうです。そのあとも三塁まで進み、タッチアップで生還。自ら必死に打って走ったことが勝利に繋がりました。
ピッチングの方は、立ち上がりがあまり良くありませんでしたね。特に2回裏は内野安打でエスコバーが出塁し、梅野隆太郎が送りバントの処理を急ぎすぎたのか悪送球になってオールセーフ。さらには振り逃げの間に走者が帰ってくるという嫌な点の取られ方までありました。
勝利の立役者はボーアですね。嫌な流れの後の3回にホームランで突き放し、8回にももう1本。7月に比べると調子が落ちてきて20試合ほど本塁打がありませんでしたが、ひと安心です。それにしても、東京ドームへ行ったあと揃いも揃って打てなくなるのはなぜなんでしょうね……。
「まずは7回を投げ切ること」
話を藤浪に戻しましょう。5回に村上宗隆のホームランで3点差に詰め寄られました。スライダーが少し甘く入ってしまいましたが、あれはしょうがないですね。その前の打席は直球をセンター前に弾き返されていましたし、そのあたりのヤマの張り方が本当に上手い。村上の方が一枚上手だったということです。
7回には坂口智隆にカウント1-0からホームランを浴びて2点差となり、藤浪はこの回で降板になりました。まず7回を投げきるということは今後の課題ですね。