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コストルナヤも“皇帝”門下に。
指導者・プルシェンコの実力は?

posted2020/08/31 11:00

 
コストルナヤも“皇帝”門下に。指導者・プルシェンコの実力は?<Number Web> photograph by AFLO

今年2月に開催されたロシアジュニア選手権で、指導するキリル・サルノフスキーに激励を送るプルシェンコ。

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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AFLO

 エフゲニー・プルシェンコが、いよいよコーチとして本気を出し始めた。2017年に私費を投じて育成学校「エンジェルス・オブ・プルシェンコ」を創設し、黙々とジュニアの育成にいそしんでいたが、やはり彼は表舞台が似合う。このオフ、ロシアのトップ選手やコーチが一気に同学校に流入し、世界屈指のチームへと勢力を増大させているのだ。

 事の発端は5月、4回転4種類を跳ぶ“ロケット娘”のアレクサンドラ・トゥルソワが、エテリ・トゥトベリーゼ門下からの移籍を決めたこと。昨季の国際大会で表彰台を独占したロシア3人娘の一角が崩れ、大きな話題となった。トゥルソワは理由をこう語った。

「なぜかノーミスの演技が出来ず、他の場所で自分を成長させる必要がありました。プルシェンコは彼自身が4回転ジャンパーで、どうやれば安定した演技を出来るのかを知っていると思いました」

 さらにこの時、ジャンプコーチのセルゲイ・ロザノフと、12歳で4回転を跳ぶベロニカ・ジリナも同学校へ。このロザノフコーチは、昨季のGPファイナル女王アリョーナ・コストルナヤにトリプルアクセルを指導したことで知られていた。すると7月31日には、コーチの後を追うようにコストルナヤの移籍が報じられた。この数カ月で、少なくとも計6人の選手が、同様の選択をした。

北京五輪へ向け勢力図は動いている。

 もともとプルシェンコの学校は100人ほどの選手が所属していたが、コーチ体制も強化された。ボリショイ劇場の振付師との契約のほか、ソチ五輪団体金のエレーナ・イリニフがコーチとして加入。ロシア人以外の振付師も入る予定だという。

 対外アピールも忘れない。プルシェンコは積極的にメディアのインタビューに応じ、トゥルソワが4回転ループを習得したことなどを発言。また自身のSNSではトゥルソワの「4回転ルッツ+3回転トウループ」や、ジリナの「トリプルアクセル+3回転トウループ」の動画をアップするなど、学校運営の順調ぶりを猛烈に世界へ発信している。

 いずれにしても北京五輪に向けての勢力図は大きく変化した。コーチとしてのプルシェンコは、どんなチーム運営を見せるのか。皇帝と呼ばれた選手時代とは違い、リーダーとしての資質に世界が注目している。

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