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浅田真央が語ったキム・ヨナとの思い出。
あのライバル関係は「運命」だった。
posted2020/08/27 11:30
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
JMPA
浅田真央vs.キム・ヨナ。
今から10年前、マスコミによって過激なまでに煽られたライバル関係があった。
大会のたびに、真央は「キム・ヨナについてどう思うか」、ヨナは「真央についてどう思うか」と聞かれた。ふたりの間で緊張感が高まっていくに従い、その質問はタブーとなっていった。
まもなく30歳になろうとする真央が、当時の過熱した報道について振り返る――。
「私は、ヨナのことについて聞かれたくないとは思っていませんでした。フィギュアスケート界のトップでやっていたふたりのことですから、みなさんが聞きたいのはわかっていたので」
あの喧噪のなか、聞く側の気持ちに立てる余裕があったのか。
「マスコミの皆さんには感謝しています。盛り上げてもらわなければ、全国、さらには世界の皆さんにも私たちのことが届かなかったわけですから。当時はその盛り上げに負けないように頑張っていましたけど(笑)」
あの狂騒のなか、自分の思いだけでなく、マスコミの期待に応えようとしていたのか。
たいへんだったのは「ヨナも一緒」。
真央は同じ年月に生まれたキム・ヨナとのライバル関係を「運命」だと言った。
ジュニアのときは仲良くしていたのに、次第に「対決」に注目が集まり、ふたりの間には距離ができてしまった。
たいへんだったのは、「私だけではなく、ヨナも一緒だった」。それはわかりあえていたと言う。
外からではわからない、ふたりの本当の気持ち。それは表に出ないまま、時が経った。
「子どものころから切磋琢磨してきた仲間なので、いまでもヨナのことが気になる」という真央。今だから話せる、当時の対決についての思いを、『Number』1009号の「私のスケート愛 特別編」でたっぷりと語っている。