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吉田沙保里を追い詰めた村田夏南子。
次はUFCで日本人初の世界王者へ。 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySachiko Hotaka

posted2020/08/15 20:00

吉田沙保里を追い詰めた村田夏南子。次はUFCで日本人初の世界王者へ。<Number Web> photograph by Sachiko Hotaka

MMAの試合でも、その巧みなタックルと寝技での妙技が光る村田夏南子。戦い方のコンセプトは“レスリングMMA”だ。

蹴りの技術も着々と身につきはじめ……。

 村田は不器用で一度にあれもこれも習得できるタイプではない。

 蹴りの習得にも時間を要したが、前述したエミリー戦ではタイミングを計ったうえで蹴られるようになっていた。

「キリアナンコーチは蹴り方ではなく、タミングと蹴るポイントを細かく教えてくれる。最近はボディをめがけてのヒザ蹴りもめっちゃ出せるようになってきましたね」

 コロナ禍の中、UFCは5月9日(現地時間)から無観客試合という形で大会を再開した。村田の元には8月上旬に開催する大会の出場オファーがあったが、準備期間が短く、断念せざるをえなかった。では、今後の予定はどうなっているのか――。

「まだ決まっていません。現段階でも日本からアメリカに行けることは行けるようです。ただ、日本に帰国したら、そのまま隔離されてしまうようです。10~11月あたりにできたらいいと思っています」

初の日本人UFC世界王者を目指して。

 日本では寝技の指導では定評のある山崎剛や元K-1ファイターの大野崇の指導を受ける。日本と米国の練習の違いは?

「日本の方がMMAのスパーリングが多い。対照的に米国でのそれは週に一回。5分5ラウンドくらいしかやらない。日本はその2~3倍やる感じですね」

 練習中にうまくいかないことがあると、昔も今も「チクショー!」と呟くことが多い。村田はそれがいいと思っている。

「“チクショー”と思って明日も頑張ろうと思えるからいまの私がいるんだと思います」
 かつて日本人選手でUFC世界王者になった者はいない。もっとチクショー! と叫んでくれ。

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