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巨人「築地新球場」計画が頓挫……。
東京ドーム大改修で、“悲願”ならず。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNanae Suzuki

posted2020/08/14 11:50

巨人「築地新球場」計画が頓挫……。東京ドーム大改修で、“悲願”ならず。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

他球場と同様、上限5000人の観客で試合が行われている東京ドーム。大改修でどのように生まれ変わるか。

自前の球場を持たない弊害。

 その後は代々木公園の再開発計画地なども候補に上がったが、5万人規模の球場建設には敷地面積が不足するなど条件を満たす候補地はなく、結果的に東京ドームの大改修で新時代に臨むことになった訳だ。

 今回の改修費100億円というのは、マツダスタジアムの総工費が約140億円だったことを考えると、いかに大規模なものかが分かるはずだ。

 東京ドームと読売グループがそれだけ力を入れて取り組む改修だったが、その一方で今回のコロナ禍により改めてクローズアップされたのは、やはり自前の球場を持たない弊害だった。

日本シリーズは東京ドームを使えない。

 今年はコロナ禍によりプロ野球だけでなく、野球界全体が大きなスケジュール変更を余儀なくされている。

 例年は7月に行われる社会人野球の都市対抗野球大会も、早くから11月22日から12日間、東京ドームで開催されるということに日程変更がされていた。その決定後に約3カ月遅れでのプロ野球開幕が決まり、日本シリーズの日程も11月21日開幕となったが、都市対抗野球と完全にバッティングしてしまっているのである。

 そのためもし巨人がリーグ優勝しても、日本シリーズは本拠地の東京ドームを使えず、他球場での開催を余儀なくされる前代未聞の事態となってしまった。

 さらに経営面でもコロナの影響は予想以上に長く影を落としそうだ。

 無観客でスタートしたプロ野球は、7月10日から5000人を限度に観客を入れて試合を行ってきている。ところが当初は8月からは収容人員の半分を目処に観客数を増やす計画だったが、第2波とも思える感染の再拡大で、今季中の入場者数の拡大が難しい情勢となってきている。

【次ページ】 スポーツ興行のベースとなるのはチケッティング。

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