プロ野球亭日乗BACK NUMBER
巨人「築地新球場」計画が頓挫……。
東京ドーム大改修で、“悲願”ならず。
posted2020/08/14 11:50
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Nanae Suzuki
東京ドームが約100億円をかけた大改修を行うことを発表した。
コロナ時代における巨大屋内施設での安全確保が求められる中で、東京ドームではすでに7月28日からの有観客試合に向けて球場内の空調能力の増強のために12億円を投じて工事を実施。コンコースには大型扇風機30台を設置し、換気能力を従来の1.5にアップして、1時間に3.5回の換気を可能にした。
また女子トイレ数を1.6倍に増やして混雑緩和を図るとともに、洗面台は220台に増設、手洗いスポットも12カ所新設した。
また感染者との接触を追跡する「東京ドームアラート」も導入して衛生管理と感染予防の強化も図っていく。
さらに今後も順次、さらなる衛生対策を実施する方針で、中でも中心になるのは球場内の売店などの完全キャシュレス化と電子チケットの導入だ。
これによって入場の際のいわゆる“もぎり”も廃止され、非接触型のスタジアムへと完全移行していくことになる。
老朽化問題には、今回も答えは出なかった。
こうしたコロナ対策と同時に、エンターテイメント系の改修にも着手。その目玉となるのが外野の大型ビジョンの増設で、2023年の開幕を目指して、現在の横幅24mから国内最大となる126mへ段階的に拡充していく計画だ。
「清潔、安全、快適なスタジアムをお客さまに実感していただけるよう全力をあげる。世界トップレベルの感染予防を実現していきたい」
会見に出席した巨人・山口寿一オーナーは今回の改修の目的をこう説明した。
こうして球場内の環境整備を整えることになった東京ドームだが、肝心の球場そのものの老朽化問題には、今回も答えは出なかったことになる。