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石川祐希、イタリア6年目の自覚。
「頼られる存在になりたいですね」
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byAFLO
posted2020/08/10 20:00
イタリアへ渡る前にリモート取材に応じた石川祐希。新天地ミラノでの成長を力強く語った。
「避けて通れない道」
それでもミラノを選んだのは、「世界のトッププレーヤーになる」という揺るぎない目標があるからだ。
「この先、目標に近づくためには避けて通れない道だと思っています。ミラノで僕のすべてをぶつけたい」
その言葉も力強い。ミラノでは堅実なプレーと前向きなチャレンジを心掛けながら、トップ4でのプレーするイメージも常に頭の中に描いている。
「目指しているところは上の(モデナやペルージャなど)4つのチームで、ミラノでしっかり結果を残せばそういったチームからオファーをいただける可能性はあると考えています。そこを見据えて、結果を出して、来年、再来年には上位4つのチームでプレーしたいという気持ちが強いですね。なるべく早く目標を達成するためにも、今シーズンは自分のキャリアにおいて、とても重要なシーズンになると思っています」
ミラノではリーダーの役割も。
シエナからパドヴァに移籍した昨季は、W杯が終了した直後の10月中旬にチームに合流し、3日後には公式戦に出場するという強行スケジュールで、開幕前に準備する時間もほとんどなかった。
しかし、ミラノに移籍した今季は、9月下旬に開幕するスーパーリーグまで1カ月以上と余裕がある。課題とするジャンプサーブに対してのレセプション、その鍵となる下半身強化にもじっくりと時間を費やすことができる。なにより、チームメイトや監督とも十分にコミュニケーションを取ることが可能だ。
ミラノは昨季プレーしたパドヴァよりも若い選手が多い。今年12月には25歳になる石川も、これまで以上に自分がチームを引っ張っていかなければならないと考えている。
「リーダーシップを取るというか、チームの中心としてプレーすることは引き続きトライしていきたいですし、ミラノでは困ったときには頼られる存在になりたいですね。若さがある分、爆発力があると思うので、その爆発のきっかけになるようなプレーや表現をしていきたいです」