大山加奈のVolleyball is Life BACK NUMBER

大山加奈が虹プロにハマった理由。
褒めることは簡単なようで難しい。

posted2020/08/09 11:40

 
大山加奈が虹プロにハマった理由。褒めることは簡単なようで難しい。<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

子どもたちの指導を通して「褒める」ことの大切さを痛感していた大山氏。日本代表時代は自分の短所ばかりに目が向いていたと振り返った。

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大山加奈

大山加奈Kana Oyama

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Toshiya Kondo

 何気なく見始めた『Nizi Project』というオーディション番組にすっかりハマってしまいました。

 これはソニーミュージックと韓国のJYPエンターテインメントが共同開催したグローバルオーディション(通称「虹プロ」)で、日本テレビの『スッキリ』などで放送されていました。そこで選ばれた9人の女の子は「NiziU(ニジュー)」としてメジャーデビューを控えています。

 なぜこのコラムでスポーツでも、バレーボールでもない話をするのか。ただ単に自分がハマったからだけではなく、そこにはもちろん理由があります。

 デビューを目指してレッスンに励み、さまざまな課題をクリアすべく、努力を積み重ねるオーディション参加者の少女たち。そのキラキラした姿に心を奪われたのはもちろんですが、何より大きかったのはプロデューサーであるJ.Y.Parkさんの存在です。

J.Y.Parkの言葉や振る舞い。

 彼女たちを選考する立場であるParkさんが彼女たちにかける言葉や振る舞い、決して否定せず、結果よりも過程を評価するその姿勢は、音楽とスポーツという違いはありますが、指導者として学ぶことばかりでした。Parkさんのすごさを感じさせられると共に、人を導くというのはこういうことではないかと感動し、すっかり魅せられてしまいました。

 オーディションというと、参加者たちが「絶対に負けない」と自分をアピールすることに必死になり、その過程で周りと衝突することも多いイメージがありました。それがエンターテインメントとして取り上げられることもありますが、虹プロやParkさんは全く違いました。ひとりひとりの良い部分を見つけて、1度ではなく何度でも伝える。

 そして、誰かが特別なのではなく「それぞれが特別だ」と伝え、褒める時は手放しで褒める。何かを指摘する時も頭ごなしに「ダメだ」と言うのではなく、決して人間性は否定せずに足りないところや、やるべきことを的確に指摘し、「期待しているから言う」ということをしっかり伝えるのです。

 今、子供たちを指導する立場として学ぶことが多くあっただけでなく、自分の現役時代を振り返っても、虹プロから受けた刺激、感じることはたくさんありました。

【次ページ】 短所ばかりに目が向いた代表時代。

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