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ポルト2冠も“消えた”中島翔哉。
名門1年目の苦境、来季はどうなる。 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byMutsu Kawamori/AFLO

posted2020/08/04 11:30

ポルト2冠も“消えた”中島翔哉。名門1年目の苦境、来季はどうなる。<Number Web> photograph by Mutsu Kawamori/AFLO

UEFAヨーロッパリーグでベンチ入りするなど、実力自体は認められているはず。中島翔哉とポルトはわだかまりを解消して来季に繋げられるか。

会長からは「是が非でも欲しい」。

 このポルトに昨年7月、中島は移籍金1165万ユーロ(約14億5240万円)でアル・ドゥハイル(カタール)から入団した(注:ポルトが取得したのは所有権の50%)。ポルトにとって今季における大きな投資。ピント・ダ・コスタ会長は「以前から是が非でも欲しかった選手」と興奮を隠せず、エースナンバーの背番号10を与えた。

 一方、2017年からチームを率いるセルジオ・コンセイソン監督は「クラブがいくら払って誰を獲得したかは、自分には関係がない。試合で起用するかどうかは、実力次第」と冷静だった。

 コンセイソン監督は攻守のバランスを重視し、攻撃の選手にも守備での貢献を強く求める。一本気で頑固な性格だ。つまりチームの和を重んじ、規律を乱す選手は許さないタイプである。

 シーズン序盤、コンセイソン監督は4-4-2のフォーメーションを多用し、2トップにはCFタイプの選手を並べた。中島は2列目左サイドのポジションをコロンビア代表ルイス・ディアスと争った。

 ディアスは、屈強ながらスピードとテクニックを備え、守備でも体を張るウインガー。8月1日のポルトガル杯決勝では4-5-1のサイドハーフで出場し、守備で頑張りすぎてイエローカードを2枚もらい、前半で退場処分を受けたほどのファイターだ。

1月の故障で序列が再び控えに。

 当初はレギュラーがディアスで中島が控えという序列だった。だが中島もピッチに立つとライン間で巧みにパスを受け、精度の高いスルーパスを供給し、トリッキーなドリブルで相手守備陣を攪乱した。

 12月16日のリーグ第14節にフル出場すると、3日後のポルトガル杯の試合で右からのクロスを体ごと押し込んで初ゴール。1月10日のリーグ第16節まで5試合連続で先発した。しかし故障のため以後の6試合を欠場し、控えに逆戻りした。

 中島は3月7日のリーグ第24節で先発し、チーム唯一の得点をアシストした。ところが新型コロナウイルスの感染症拡大で、この試合後にシーズンが中断する。それでもポルトガルの感染状況は近隣諸国よりは軽微で、5月4日にポルトはチーム練習を再開した。

【次ページ】 練習再開も自宅トレーニングを選択。

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