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コロナ禍に揺れる米で女子ゴルフ再開。
優勝逃した河本結と悩める各選手事情。
posted2020/08/03 20:00
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Getty Images
7月31日から3日間にわたって開催された、米女子ゴルフツアーの再開1戦目「LPGAドライブオン選手権」(オハイオ州/インバネスクラブ)には、総勢135人もの選手が出場した。優勝は7アンダーのダニエル・カン(米国)。日本人選手では、河本結が米ツアー自己最高となる4位、野村敏京と山口すず夏は予選落ちとなった。
この大会、166日ぶりのツアー再開の初戦となったわけだが……その裏側には多くの選手たちの葛藤があった。
畑岡奈紗、横峯さくら、上原彩子らは開幕戦を欠場。
「ごめん! 今回の取材はパスしていい?」
いつも取材に協力的な選手たちだが、ツアー再開に向けての意気込みを伺おうとしたら、複数の選手に断られてしまった。
取材拒否の理由として、筆者が選手に嫌われてるから……ということではなく、新型コロナウイルス感染症のリスクを考慮して、ツアーが再開しても、暫く試合に出ないと決めており「今はコメントするべきではない」と判断する選手が思った以上に多くいたためである。
筆者が取材申請したメインの選手達は、「カテゴリー1」の選手たちだった。
カテゴリー1とは、今季のフルシード権をもつ上位80選手のことである。それに加えて、フルシード権を保持しながら公傷か産休の7選手も含まれるため、今季は計87選手いる。
その上位87選手のうち実に35人の選手たちが再開1戦目を欠場したのである。その中には、日本勢の畑岡奈紗、横峯さくら、上原彩子らも含まれる。
各選手によって事情は異なるため、出場でも欠場でも、その決断は尊重されるべきである。だが、こんなに主要な選手がごっそり欠けたのは、他の米スポーツと比べても類をみないのではないだろうか。