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19歳安田祐香が描くゴルファー像。
「キレイな女性に」の真意とは?

posted2020/08/04 07:00

 
19歳安田祐香が描くゴルファー像。「キレイな女性に」の真意とは?<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

「プラチナ世代」の1人として期待を背負う安田祐香。アース・モンダミンカップでプロデビューを飾った。

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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Yoichi Katsuragawa

 伸びやかに手足を使うスイングは、あの頃とそう大きくは変わらないそうだ。

 安田祐香が初めてゴルフに触れたのは5歳のとき。

 家族に付き添う形で打ちっぱなしの練習場を訪れたある日、「見ていたら、私もやりたくなって」とその輪に加わった。手にしたのは、すでに使い込まれて、グリップがすり減っていた姉・美祐さんの子ども用クラブ。足元はシューズではなくスリッパだった。

「大きく振ってごらん。ボールが遠くに飛ぶと楽しいよ」

 父の光祐さんが、そう教えてくれた。のびのびとしたアドバイスを胸にしまい、少女はみるみるうちに、のめり込んでいった。

 自己責任がつきまとうゴルフというスポーツに、安田はもともと“向いていた”ようでもある。7歳で競技を始めると、球を打つ技術以外のところでも資質が垣間見えるようになった。

「あしたは◯時のスタートだから、◯時に練習を始めよう。◯時にはコースに到着しないと。朝ごはんは◯時に、起きるのは◯時……。だからママ、きょうは早く寝てね!」

 小学校低学年の頃から、試合前日の夜はきまって母・美香さんにそんな風に告げ、いそいそとベッドにもぐりこんだ。

 翌朝のティオフ時刻から、スケジュールを細かく逆算し、自前のキティちゃんの便箋や、宿泊ホテルの備品のメモに記した。小学3年生で門をたたいた坂田塾で塾生に課せられている日々の「ゴルフノート」とは違う。誰に言われるでもなく、自ら立てた計画をきちんと文字に起こしてから、夢の中に入った。

アジア女子アマ優勝、オーガスタも経験。

 当時まだ輪郭があやふやだったプロゴルファーという将来像を、安田はその十数年後に現実にした。しかも世代を代表するプレーヤーとして。

 高校2年時の2017年に日本女子アマチュアを制してからは、注目度も一気に上がり、期待に都度応えてきた。プロツアーのあらゆる試合でベストアマとなり、'18年秋までに10試合連続予選通過というアマ最長記録にも並んだ。'19年にはマスターズの会場で行われるオーガスタナショナル女子アマチュアで3位、アジアパシフィック女子アマチュアで優勝するなど、活躍の場は世界にひろがった。

 アマチュア時代の輝かしい実績をどれほど引っ提げても、厳しいのがプロの世界である。近年の制度変更により日本ではプロテストを通過しなければ、ツアー出場もより困難になった。その重圧もなんのその。安田は昨年11月に一発合格を決め、晴れてアマチュアの身分を卒業した。

【次ページ】 ずれ込んだデビュー戦は28位タイ。

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