球道雑記BACK NUMBER
ロッテ益田直也の進化とシンカー。
井口監督の助言、記録よりも優勝。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2020/08/02 11:30
選手会長としてチームを牽引する益田。ここまで16試合に登板し、リーグトップとなる10セーブを記録している(8月1日時点)
「責任は僕らが背負う」
「若かった頃はやっぱり(相手打者を見る意味が)分からなかったので、『投げたらあとはボールに聞いてくれ!』みたいなところがあったんですよね。それじゃいけないのが分かったのと、その頃はまだチームを背負う立場でもなかった。今は僕らがチームを背負っていかなければいけない立場になりましたし、一球一球を自問自答しながら投げています。
ただ、若い選手はそんなことをする必要はない。彼らには『まだチームを背負わなくていいから、お前はお前の思うままに投げればいい』と声をかけています。責任は僕らが背負う。若い子は自分の成績だけを考えられるように、環境作りもしっかりやっていきたいです」
今季の益田は、これまでの一選手としての役割だけでなく、選手会長としてチームをまとめていく役割もある。しかし、彼はそれを重荷に感じることなく、今季ここまでのシーズンを過ごしている。それは彼の生き生きとした表情を見ても明らかだ。
益田が言う。
「自分たちのチームは長い間、リーグ1位となってのリーグ優勝をしていない。今年は試合数も少ないし、特殊な状況下ですけど、リーグ優勝を目指すことに変わりはない。その瞬間をファンの人達はやっぱり球場で見たいと思うでしょうし、シーズン終盤頃にはたくさんのファンの方が球場に入れるようになっていると思うので、みなさんの前でリーグ優勝の瞬間を見せたいと思っています」
目前に迫っている自らの節目、通算500試合登板と通算100セーブは彼にとって通過点に過ぎない。目指すのはあくまでチームの優勝。それが自分を支えてくれたファン、家族、そして井口監督への恩返しだ。