セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
リベリーが遠征中に空き巣被害。
イタリア泥棒事情は想像の斜め上。
posted2020/07/22 07:00
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
今回はイタリアの泥棒事情の話だ。
“セリエA窃盗被害者の会”に、フィオレンティーナMFフランク・リベリーの名が新たに加わった。
今月6日未明、パルマへの遠征から自宅に戻ったリベリーは、インテリアや引き出しがひっくり返った室内を見て仰天。空き巣に荒らされた光景をSNSにアップしながら憤りをぶちまけた。
「家に帰ってみたらこの有様だ。妻のバッグとジュエリーがやられた。何がイヤって、(泥棒に入られて)自分が丸裸にされた気分になることだ。冷静になんてなれるか!」
大金を稼ぎ、派手なスーパーカーやアクセサリーで着飾るプロサッカー選手は、盗みを稼業とする輩たちにとって格好の標的だ。残念なことだが、イタリアではこの手の話題に事欠かない。
マルキージオは頭にピストルを……。
今季の“セリエA窃盗被害者リスト”には、リベリーの前にもミランFWサム・カスティジェホとナポリMFアランの名が連なる。
カスティジェホは先月、ミラノ市内を運転中にスクーターに分乗した2人組のピストル強盗に8万ユーロのロレックスを奪われた(なおナポリ出身で前科持ちの犯人たちは400km以上離れた高速サービスエリアで逮捕され、腕時計は無事に戻った)。
昨年11月には、ナポリ郊外にあるアラン邸に白昼堂々盗賊が押し入って、屋内を荒らし回り、彼の妻と子供たちは恐怖で震え上がった。
また、元ユベントスMFクラウディオ・マルキージオが襲われた事件は、かなり凶悪な部類に入る。
現役引退を発表したばかりの昨秋、ユーベの旧練習場近くに構える自宅で妻と2人でくつろいでいた夕暮れ時に突然、警報システムを破った5人組が邸内に侵入。頭にピストルを突きつけられて「金庫はどこだ」と脅された。「そんなものはない」と答えたマルキージオは賊を刺激しないよう必死に冷静さを保ち、何とか妻と自身の命を取り留めた。