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鈴木武蔵の不在を札幌はどう凌ぐか。
代役は金子? 2トップの可能性も。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/07/15 19:00
鈴木武蔵の不在は札幌にとって大きなダメージだが、良い状態を保って帰還を待つことができるか。
武蔵不在に札幌の手はある?
攻撃を活性化するための交代だったが、劇的な変化は起こらなかった。
個々のシーンで例えば金子拓郎の仕掛けが目立つことはあったが、チームとして崩しのパターンが見えず、個々の能力で戦っている印象だ。
結局、0-0のドロー。
シュートは6本、通常の半分だった。
「武蔵不在」に、チームはどんな手を打つべきだろうか。
湘南戦は、3-4-2-1だったが、今の2はスピードがあり、単独で突破できる武蔵タイプのイメージが強い。札幌のメンバーを見渡してみると、本来であれば昨年9得点を挙げたアンデルソン・ロペスが適任だ。しかし、ブラジルから帰国後、2週間の隔離生活を経てからの合流となるので、出場は8月中旬ごろになる予定だ。
人を変えるか、布陣を変えるか。
スピードタイプがいないのであれば、別の形の「2」を体現できる選手に任せるしかない。
2018年、リーグ史上最高位の4位を達成した時の2は、武蔵タイプではなかった。三好康児という技術に長けた選手が入り、攻撃を活性化していた。
それを考えると金子がいいのではないか。
まだ粗さもあるしちょっとコネるクセがあるが、ドリブルはキレがあり、シュートへの意欲も高い。強気に攻撃に出る姿勢が非常に頼もしい。周囲と息が合ってくれば、自分も味方も活かすプレーができる選手だと思う。
「武蔵不在」の応急処置としてはチャナティップをトップ下に置き、2トップでもいい。2年前、チャナティップはシャドーだったがトップ下のような動きでゲームを組み立て、8ゴールを奪ってチームを牽引した。
湘南戦でJデビューを果たしたドゥグラス・オリベイラとジェイ、あるいは菅とジェイでも面白い。左WBに中野嘉大、左FWに菅が揃い、そこにチャナティップが絡むと何かが起きそうな気配が漂う。鈴木、ロペスが復帰してくるまでは、いろんなオプションを試せる時期でもあるので一度、見てみたい。