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ジダン監督も称える久保建英の力。
同年代スター候補と今季数値比較。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byAP/AFLO
posted2020/06/25 11:50
ラモス、メンディに囲まれながらもドリブルを仕掛ける久保建英。名だたる選手を前にしても、久保に臆した様子はなかった。
久保は日本サッカーの宝になる。
さて、久保の数字をもう一度じっくりと見てみる。劣勢になりがちなマジョルカの中で、周囲のフォローを受けられず、ボール喪失が増えているのは致し方ないだろう。その一方で1試合平均の被ファウル数「1.85」は3人を上回っており、仕掛けに行く意欲の高さを感じる。
それとともに「ボール回収」の多さ、1試合平均で「3」超えというのが浮かび上がってきたのが面白い。守備面が数少ない課題と評される久保が、守備意識をしっかりと持っているという証左だろう。
EU外枠の国籍ということで、マドリーではビニシウスやロドリゴ、そしてウーデゴールとの熾烈な出世争いは今後も続くはず。しかしリバプールで南野拓実がサラー、フィルミーノ、マネのフロントスリー相手に挑んでいるのと同じく、熾烈な生存競争の渦中にいることこそ、ゆくゆくは2020年代の日本サッカーにとって大きな価値となるはずだ。