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ジダン監督も称える久保建英の力。
同年代スター候補と今季数値比較。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byAP/AFLO
posted2020/06/25 11:50
ラモス、メンディに囲まれながらもドリブルを仕掛ける久保建英。名だたる選手を前にしても、久保に臆した様子はなかった。
26点中5得点に絡む久保の奮闘。
そんな久保の2019-20シーズン、「AS」紙のデータにおけるリーガでの数字(第30節終了時点)は以下のようになっている。カッコ内の数字は1試合当たりの平均だ。
<久保建英>
試合数:27(先発16)
出場時間:1804分
ゴール:3(0.11)
ファウル:31(1.15)
被ファウル:50(1.85)
ボール回収:87(3.22)
ボール喪失:340(12.59)
ドリブル成功:45(1.67)
パス本数:453(16.78)
アシスト:2(0.07)
枠内シュート:24(0.89)
枠外シュート:8(0.30)
マジョルカの得点数はこの時点で「26」。リーグ16位でやや寂しい数字とはいえ、そのうち3ゴール2アシストと久保は5得点に絡んでいるのだから、奮闘していると言えるだろう。そしてこの数字はどれほどのものなのか。3人ほど比較対象を挙げてみよう。
それぞれマドリーとバルサで同年代ながら積極起用されているビニシウス・ジュニオールとアンス・ファティ、そしてレアル・ソシエダ所属で来季以降マドリーへの帰還が期待されるマルティン・ウーデゴールだ。ともに将来のビッグネーム候補だが、久保が発揮しているクオリティなら、これくらいの格の選手でいいはずだ。
立ち位置が同じビニシウスは……。
<ビニシウス・ジュニオール>
試合数:22(先発9)
出場時間1128分
ゴール:2(0.09)
ファウル:14(0.64)
被ファウル:20(0.91)
ボール回収:44(2.00)
ボール喪失:191(8.68)
ドリブル成功:42(1.91)
パス本数:373(16.95)
アシスト:1(0.05)
枠内シュート:26(1.18)
枠外シュート:11(0.50)
マジョルカ戦で先制ゴールを決めたビニシウス。今後スペイン国籍取得が予想されるとはいえ、「マドリーの将来を背負うアタッカーで、EU枠外の国籍」という立ち位置は久保とほぼ同じ。白い巨人でポジションを争う最大のライバルとなるだろう。分厚い選手層の中にいるビニシウスと比べて久保は出場機会に恵まれやすいという面はあるが、ほとんどの平均数値で同等である。
ただビニシウスは「クラシコでの21世紀史上最年少ゴーラー」という数字以上のインパクトがある。久保もリーガ2年目にはぜひ、ビッグクラブの鼻をへし折るようなプレーを見せてもらいたいところだ。