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メッシvs.久保建英で見えた共通点。
「ボールを蹴る喜び」は普遍の才能。
text by
吉田治良Jiro Yoshida
photograph byGetty Images
posted2020/06/17 11:50
リーガ再開初戦、メッシ相手に臆さずボールを奪いに行く久保建英。そんなハートの強さを見せられると、期待値は否が応でも高まる。
メッシが味わっていない苦労を糧に。
バルサ戦で言えば、終盤のスタミナ切れが目に付いたし、シュート精度も課題として残った。また、攻撃の選択肢が限られたチームを活性化するアイデアも物足りなかった。また16日のビジャレアル戦でも直接FKを放つなど積極性を見せたが得点に絡めず後半途中に交代。チームもリーグ再開後、痛い連敗を喫した。
バルサで純粋培養され、デビューからずっと周りのサポートに恵まれてきたメッシが味わうことのなかった苦労も、できればステップアップの糧としてほしいものだ。
「才能のコンテスト」ではきっとメッシにも引けを取らない。これからは「努力のコンテスト」で、どこまで偉大なスーパースターに迫れるかだろう。
耳に入る称賛に我を見失わず、足音も立てずに忍び寄る自惚れを振り払い、ここからさらなる成長を遂げれば──。永遠にも思えたメッシの時代に終止符を打つのは、もしかすると、今はまだ19歳になったばかりの日本の至宝なのかもしれない。