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新日本プロレスがついに再始動!
7月に有観客2連戦、その戦略とは?
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2020/06/09 20:10
SANADAとの決勝戦に勝利して2019年のニュージャパンカップを制したのはオカダ・カズチカだったが、今年は果たして……。
キャパ1万人以上なら5000人入れられるが……。
新日本は、5月25日の非常事態宣言解除後、スポーツ庁などの助言を受け、試合会場を確保し、試合再開に踏み切ることにしたという。すでに、レスラーやスタッフには先週から抗体検査を始めていたそうだ。
ガイドラインに沿えば、観客を入れての興行は会場キャパシティの2分の1まで、最大5000人までだから、もし5000人近い数を入れるためには、1万人以上収容の会場が必要になる。
そのキャパシティを確保できる施設は、各地のドーム球場を除けば、両国国技館、日本武道館、横浜アリーナ、大阪城ホールなどだ。それらに次ぐのが、北海きたえーる、愛知県体育館、大阪府立体育会館、福岡スポーツセンターなどである。
もともとは今夏に開催予定だった東京オリンピック対策として、7月に予定されていた北海道を回るシリーズは、まだ不安定な状況下での「移動の連続」を考慮して中止となった。
プロレスは、力道山時代からの慣習に従ってシリーズを組んで日本列島を縦断する形で移動してきた。だが、コロナの感染リスクを減らすために移動を極力抑える必要に迫られるなら、こうした巡業スタイルはこれからは過去のものとなってしまうのかもしれない。
中規模の会場で連戦した方が儲かるのでは?
1会場に半分の観客では地方のプロモーターにとっては、うまみはない。
もちろん、需要と供給のバランスではあるが、やるならば中規模の地方の会場で、「可能ならば2連戦」というのが基本になるのではないだろうか。
そのひな形を示すのが、今度の大阪城ホールでの2連戦なのだろう。
ピンポイントの会場で2連戦、あるいは3連戦というのがプロレスの新しいスタイルになっていくはずだ。