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新日本プロレスがついに再始動!
7月に有観客2連戦、その戦略とは?
posted2020/06/09 20:10
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
ついに新日本プロレスが6月15日から大会を再開する。
そして6月16日から、延期になっていたニュージャパンカップ・トーナメントを無観客でスタートする。その決勝戦は7月11日、大阪城ホールに3分の1の観客を入れての開催になる。
さらに、その翌日の12日にはニュージャパンカップの優勝者がIWGPヘビー級とインタ―コンチネンタルの2冠王者である内藤哲也に挑む。内藤にとってはIWGP王座2度目の防衛戦になる。
2月の初防衛戦も大阪城ホールだった内藤にとっては、異例とも言える同会場での連続防衛戦になってしまった。ニュージャパンカップの昨年の優勝者はオカダ・カズチカだったが、今回はジュニアヘビー級を含めた32選手がラインナップされている。だれが内藤の前に現れるのだろう。
7月の大阪城ホール2連戦は、3月開催が中止になったニュージャパンカップと同月の両国国技館大会「Sakura Genesis」、さらに6月14日の予定だった大阪城ホールでの「DOMINION」が融合された形だ。
50を超える大会をすべて中止の衝撃!
新日本は2月26日の試合を最後に3カ月半にわたって、当初予定していた53大会をすべて中止にしてきた。興行会社が興行会社として機能しない実情に「こんなに多くの大会を中止して、新日本プロレスは大丈夫なのか?」と危惧する声もあった。
だが、ハロルド・メイ社長は、5月13日のインターネットによる新日本の新型コロナウィルスに関する姿勢説明やロードマップの提示の中で「1月4日、5日の東京ドーム2連戦の成功などで幸い今期はなんとか年間黒字決算で終われそうです」と語っている。
「無観客でも見たい」というファンの多くの声に対しては、「選手やスタッフを感染リスクから守るため」「会場の使用制限」「企業の倫理的社会責任」の3つをあげて、「悔しさ、膨大な損失、身を切るような痛みのなかで」開催中止の判断をし、非常事態宣言が解除された後、すぐに再開できるよう備える旨をコメントした。