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悪童バロテッリがまたも契約解除?
暴言、無断欠席で会長が絶縁宣言。
text by
神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph byGetty Images
posted2020/06/11 19:00
カルチョを背負って立つと嘱望されたバロテッリもこの8月で30歳。今もなお問題児ぶりは変わらないが……。
SNSで大いに目立つ激昂ぶり。
グロッソ監督解任後に戻ってきたコリーニ監督や、2月から就任したディエゴ・ロペス監督から期待を受けるも、パフォーマンスは上がらない。
その一方で、バロテッリはSNSでは大いに目立った。
新型コロナウイルスの感染拡大によりセリエAが中断されると「ラツィオは2位で終わるよ。延期となった試合(ユーベvs.インテル戦)を消化して首位で終わらせたところで中断させたんだから」などとインスタグラムのライブで発言。これに対してブレシアは「個人の発言でクラブとは関係ない」と一線を引いた。
当のバロテッリは、SNSでさらに激昂した。
「あの発言の、どこが挑発だったっていうんだ? 別にユーベを勝たせたかったんだろと言ったわけじゃないだろ。いっつも、オレの名前を汚すようなことばかり言いやがって、そんなことするくらいなら家で自粛に集中してろよ」
こうして騒ぎは続いていったのである。
メディカルチェックで8kg体重超過。
そして迎えた中断期間中、両者の溝は完全に深まってしまった。コロナ禍の法令によりスポーツチームの練習や野外のトレーニングそのものが禁止となり、選手たちは自宅でのコンディション調整を強いられた。
そのことは、気分屋のバロテッリにとって厳しいことだった。
「時々法令を破って外に出てたよ。だって、うちにランニングマシンがなければトレーニングになんねぇじゃん」
4月半ば、SNSのライブを使ってこんな話をしてしまう。地元紙によれば、スタッフが企画した選手によるビデオミーティングを欠席、メッセージングアプリのグループからも勝手に抜けて、動きが把握しにくい状況になっていたという。
その後に感染防止措置が緩和されて、メディカルチェックを実施するためクラブが招集しても、応じたのは最後だった。そして『ラ・レプッブリカ』紙によれば、8kgものオーバーウエイトが発覚したのだという。
全体練習が開始されても体調不良を理由に欠席。しかも連絡が遅い。5日には練習場に姿を現わしたが、胃腸炎という医師の診断書を提出して練習は欠席……。そして6日、ディエゴ・ロペス監督は『コリエレ・デッラ・セーラ』のインタビューに応え、「彼にはたくさんやるべきことがあった。とても残念だ。ロックダウン中のビデオ会議に姿を見せなかった。いくら自主的とはいえ、他の選手がやっていることをやらなければ同レベルにはならない」と批判した。
チェリーノ会長は弁護士を呼んで、「正当な理由」で契約破棄をする方向で準備をさせたという。