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悪童バロテッリがまたも契約解除?
暴言、無断欠席で会長が絶縁宣言。
text by
神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph byGetty Images
posted2020/06/11 19:00
カルチョを背負って立つと嘱望されたバロテッリもこの8月で30歳。今もなお問題児ぶりは変わらないが……。
気難しさは自分を守る盾なのか。
バロテッリは、もともと自律能力に難があると言われていた。
「もうクラブの将来などは気にしていないようだ。降格してしまえば契約切れになるし、イタリアにもいたくないように思える。彼を雇ったのは失敗だった」
チェリーノ会長は、イギリスBBCのインタビューに冷たく答えている。
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ただ、バロテッリ自身は周囲の理解に常に飢えていた選手でもある。それは昔からだ。7歳の頃にサッカーを始めたものの、他の子供の親たちは気性の荒さに驚愕。同じチームの半分が練習をボイコットするに至り、バロテッリはチームを変えざるを得なくなった。
だが一説には、当時有色人種の存在に慣れていなかったコーチや子供たちから不適切な言い方をされており、強く言い返さなければならないような状況ができていたとも聞く。周囲に対する気難しさは、自分を守るための盾として形成されたものなのかもしれない。つまりは、彼を正しく理解し、助言する人間が必要だったのだろう。
キエッリーニとも“バトル”が。
5月、イタリア代表のチームメイトで、ユベントス主将のジョルジョ・キエッリーニが自伝の中でバロテッリに言及した。
「ネガティブな人物で、グループに対しリスペクトがなかった。(2013年の)コンフェデレーションズカップのときもチームをまったく助けようとせず、引っ叩かれても仕方ないようなことをしていた」
この発言に対してはバロテッリも「おかしなキャプテンだよ。言いたいことがあるなら面と向かって言えよ」とSNS上にメッセージを掲げて非難した。とはいえ、両者はその後テレビのバラエティー番組のビデオ通話で“和解”に至った。
キエッリーニは「自伝に書くか迷ったけど、何も言わないわけにはいかなかったんだよ」と説明。「オレはいっつも冗談ばかり言ってるのに、“ネガティブな人物”なんて言われたことがなかったからびっくりした」と言いつつ、バロテッリも受け入れていた。
しかしブレシアでは、ロックダウン中の孤立で人間関係の修復が不可能になった。
チェリーノ会長は「前任の監督(コリーニ)が甘やかし過ぎたのだ」と言うが、そんな彼自身も、果たしてバロテッリという人物をきちんと把握していたのだろうか。この先、そこは問われていくのかもしれない。