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悪童バロテッリがまたも契約解除?
暴言、無断欠席で会長が絶縁宣言。
posted2020/06/11 19:00
text by
神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph by
Getty Images
“Still sick” (まだ病気)
マリオ・バロテッリは6月4日、自身のインスタグラムのストーリーズに、そんな画像メッセージを掲げた。
けだるそうな表情で横になるシーンをアップした彼は、この日所属するブレシアの練習を休んだ。とはいえ、この日だけではない。その前日も、またその前の日も。新型コロナウイルス感染症対策による練習禁止が解けてトレーニングが再開されても、バロテッリは応じようとしなかった。
そして5日の夜、ついに地元一般紙『ラ・レプッブリカ』の電子版においてこんな記事が出てしまった。
「バロテッリはブレシアを離れる。契約を解除、数時間後にも公式発表か」
別の媒体では、バロテッリの態度に業を煮やしたマッシモ・チェリーノ会長が契約破棄を叩きつけたという記事も出た。
才能の高さを皆に認められながら、様々なトラブルの渦中にいてポテンシャルを発揮できず、間もなく30歳……。出身地のクラブで再起しようと臨んだ1年だったが、セリエAのシーズン再開を待つことなくプレーを終えることになってしまう。
インテル、マンCでの素行不良。
一体彼に、何が起こっていたのか。
2007年12月、当時のロベルト・マンチーニ監督により、インテルのプリマベーラからトップチームに抜擢。年齢の割に規格外のパワーとテクニックが両立したプレーぶりには誰もが期待を寄せて、出場機会も増えた。
しかし、試合では各地で人種差別のブーイングにさらされる一方、激しやすく荒っぽい本人の言動も悪い意味で注目の的となった。2010年からはマンチーニ監督の誘いでマンチェスター・シティに移籍してプレミアリーグに挑戦するが、様々なトラブルを引き起こした。
ゴシップが大好きなタブロイド紙の標的となり、翌年10月に自宅で花火を打ち上げて消防車を呼んだ話は、あまりにも有名だ。素行不良はピッチ内でも問題となり、2011-12シーズンは計11試合の出場停止を食らっている。