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“甲子園”に行けなかった藪恵壹。
高校生へ「必ずチャンスはある」。

posted2020/06/03 18:00

 
“甲子園”に行けなかった藪恵壹。高校生へ「必ずチャンスはある」。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

中止となった夏の甲子園。高校3年の息子を持つ藪氏は、自身の経験をもとに球児たちにメッセージを送った。

text by

藪恵壹

藪恵壹Keiichi Yabu

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Hideki Sugiyama

 先月20日、夏の甲子園の中止が発表されましたね。3月にセンバツ大会が中止になったときは、夏は大丈夫だろうと思っていたのですが……とにかく残念のひと言に尽きます。

 私の息子も野球部の高校3年生(関西学院高校)、さすがに声をかけづらいです。あまり話してはいないのですが、他競技のインターハイが中止になった時点で、俺たちだけやるわけにはいかないと覚悟は決めていたようです。

 家族としてもショックですよ。最後の遠征もキャンセルになりましたし、先月に予定されていた私の母校との練習試合も中止に。そんな中でも素振りを継続している息子を見ていると、せめて大会に代わるセレモニーのような、区切りになることだけでもしてあげたいと強く思います。

高橋宏斗のキレは素晴らしかった。

 楽しみな選手を見る機会が失われたことも惜しまれますね。

 特に中京大中京高の高橋宏斗投手は、息子の高校との練習試合で昨夏の終わりに見る機会があったのですが、目を見張りました。ストレートは148kmありますし、カットとフォークもキレがあって素晴らしかった。すごい選手はキャッチボールから違うんですよ。弾道の低いライナーで、ギュッと投げますから。キャッチャー、ショート、センターと他の選手も粒ぞろいで、チームとしても魅力がありました。

 他にも、履正社高には関本(賢太郎)の息子(勇輔)がいますよね。右バッターで右中間に放り込む打撃センスは父親より上なのでは? と思えるほどで、注目していたんです。マネージャーなども含めると、今年は元阪神の選手を親に持つ野球部の子が多く、彼らの活躍を目にできなかったことも残念でなりません。

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